(その1の続きです) ボイラーの水を少し抜いたところで、スチームアップを行いますが、私がやってみることとします。 火を入れる前に、ブロアーバルブ(通風弁)とレギュレータバルブ(加減弁)は、全閉になっていることを確認します。 また、逆転機はミッドギアにします。そして、おが屑から作られた着火剤を数片、火室に入れ、 そして、着火後にすぐ入れる有煙炭を準備しておきました。有煙炭は無選別なので、大きな石炭は金づちで適当に割ったものです。 ですので、焚口から入る石炭と、入らない石炭を選別しておきました。 また、電動ブロアを準備します。オーナーさまは、アスターホビー製の電動ブロアを使われたそうですが、 それではパワー不足ですので、私が持参したOS製の電動ブロアを使います。 試運転のお手伝いさせていただくにあたり、燃料を含め、スチームアップから走行までに必要なもの一式を持参していましたので。 電動ブロアにアダプタを付けました(↓)。 クラウスの煙突の内径は小さいので、アダプタを付けないと、煙突の中に入らないのです。 そして、煙突にセットし、スイッチをオンにして、ファンが回転することを確認します。 やや弱い感じがしますが、予備の乾電池がないので、とりあえずやってみることとします。 焚口に着火剤を乗せ、片手にチャッカマン(ライター)を、もう一方の手に火かき棒を持ち、 チャッカマンで着火剤に火を着けたら、すぐに火かき棒で火室内に押し入れました。 火室内に入れておいた着火剤に燃え移ったのを確認したところで、電動ブロアのスイッチをオンにしました。 そして、あらかじめ選別しておいた有煙炭を速やかにタップリ入れて、焚口戸を閉めました。 有煙炭を選別しておいたのは、着火してから焚口戸を閉めるまでの時間をできるだけ短くするためです。 それは、電動ブロアによる通風で、焚口から冷たい空気を火室内にできるだけ取り込みたくないからです。 ここまでうまくいっていれば、ご覧のように電動ブロアから盛んに煙が排出されます。 ボイラーの圧力計の針は、もちろん0kgf/cm2を指しています。 有煙炭はドンドン燃えていきますので、適宜、ショベルで投炭します。 この時も、火室内の温度を下げないよう、あらかじめ選別しておいた有煙炭を速やかに投炭し、 できるだけ焚口戸を開けている時間を短くします。 水面計を見ると、水位が上がってきました(←)。 水圧試験時、ガラスパイプとグランドナットの間から水が漏れているのが見つかりましたが、 蒸気漏れはないようです。 ボイラー蒸気圧も上がってきました。 圧力計の針は、1kgf/cm2を指しています。 0kgf/cm2から、なかなか針は動きませんが、 ここまでくるとドンドン上昇していきます。 引き続き、有煙炭を適宜投炭します。 ボイラー蒸気圧が3kgf/cm2を超えたところで、 ブロアーバルブを少し開いて、電動ブロアから自ブロアに切り替えました。 ブロアーバルブの開き加減も経験が必要です。開き過ぎると、必要以上に燃料を燃焼させてしまいますし、 開き足りないと、燃料が活発に燃焼してくれませんので。 また、このタイミングで有煙炭からウェールズ炭ビーンズに切り替えました。 自ブロアに切り替えるとドンドン蒸気圧が上昇し、やがて安全弁が吹きました。 順調であれば、着火してから安全弁が吹くまで、15分程度です。 そして、試運転台から線路に移動しました。 走行開始する前にウェールズ炭ビーンズを投炭し、火床を整えました。 逆転機を前進フルギアにセットし、ブロアーバルブは少し開いたままで、シリンダードレンコックを開き、 レギュレータバルブを少しずつ開いていきます。 すると、ゆっくりと走り出す、ことを期待していたのですが・・・。 ↓ ↓ ↓ 動いてくれません。レギュレータバルブをもっと開いたのですが、まったく動いてくれません。 レギュレータバルブをいつまでも大きく開けたままにしておくと、ボイラー蒸気圧が下がってしまいますので、 ひとまず全閉しました。そして、手で機関車を押してみると、動輪の回転が鈍く、時々引っかかるように止まります。 動輪はスムーズに回り、機関車は軽やかに動いて欲しいのですが・・・。 ウ〜〜〜ン。 機関車の足回りを点検することとし、一旦、火を落とします。 画像は、火室内の燃焼中の石炭をショベルで、すくい出した後、火格子を取り出したところです。 (その1へ戻ります) (その3に続きます) |