ライブスチームの運転


860. 令和6年10月 ”中津川庭園鉄道”さま (その4)  (R6.12.25掲載)

 (その3の続きです)
OS製Superー6(”999”)の運転室
引き続き、運転室の各機器を見ていきます。
 F : 加減弁ハンドル
      
      加減弁ハンドルです。ねじ式です。 左に回すと加減弁が開き、蒸気が蒸気室/シリンダーに送られます。 緊急停車する場合は、右に回します。電動車輛のコントローラーとは、回す方向が反対です。 ですので、電動車輛も運転する場合は、イザというときの回す方向が右なのか左なのかを意識して運転するといいと思います。 おもわず、反対方向に回してしまうと、急加速して追突などの事故につながる恐れがあります。


 G : 焚口戸
      
      焚口戸です。 小さな穴があり(→ ←)、火室内が少し見えます。画像では炎が見えており、燃料が燃焼していることが分かります。 もし、炎/光が見えなければ、火が消えているのかもしれません。 また、燃焼に必要な空気は、一次空気とし火室の下から取り込みますが、 この小穴からは二次空気を取り込み、燃料の完全燃焼に寄与しているのではないかと思います。


      
      焚口戸は、二重になっています。 この画像では小さい方が開いています。大きい方一つでもよさそうな気がします。 OSさまのこだわりかもしれません。


 H : 汽笛弁(ホイッスルバルブ)
      
      汽笛弁(ホイッスルバルブ)です。 汽笛一声、発車していくと、実機の世界同様、絵になりますし、カッコいいですが、 汽笛は安全に関わる大切な機器だと思います。 進行する線路上に立ち入っている方(一般の方・駅にいる運営スタッフなど)が居れば、列車が近づいていることを知らせたりします。 実機の世界では、”汽笛が故障して鳴らない場合は、運転できない(運転不能)”と、 書物(「動輪の響き」(キネマ旬報社))で読んだ記憶があります。 そのぐらい重要な機器に位置づけられているようです。


 I : 水面計
      
      水面計です。 圧力計と共に、ボイラーに火を入れたら常に監視する、とても重要な機器です。 ガラス管とグランドナット内のOリングは、適宜交換します。 OSさまは1年毎に交換するよう、注意喚起しています。


 J : ブロアーバルブ(通風弁)
      
      ブロアーバルブ(通風弁)です。 このバルブの開閉は、燃料の燃焼に大きく関わっており、状況に応じた操作が求められます。 通風は、強くても弱くてもよくありません。 強いと無駄に燃料を燃焼させてしまいますし、逆に弱いと必要な蒸気を発生させることができません。 ボイラー蒸気圧によって、通風力が変わります。 蒸気圧が高いほど通風力が強く、蒸気圧が低いほど通風力が弱いのです。 ですので、ブロアーバルブを開けてボイラー蒸気圧を上げている時、蒸気圧が高くなるにつれて、通風力が強くなっていきますし、 逆に蒸気圧が低くなるにつれて、通風力が弱くなっていきます。 状況に応じて操作を要するバルブです。


 K : インジェクターグローブバルブ
      
      インジェクターグローブバルブです。 インジェクターを使って、ボイラーに給水する時にバルブを開けます。


      
      インジェクターグローブバルブを開ける前に、 テンダーの前部にある水コック()を開けて、 インジェクターに水を送ります。


      
      水コックは通常(インジェクターを使わない時)は横にしておき、 インジェクターに送水する時に縦にします。


      
      インジェクターは、非公式側の第三動輪の後方にあります。 はじめに、水コックを90度回して、インジェクターに水を送ります。 そして、排水口(溢れ管)()から水が出てきたら、ゆっくりとインジェクターグローブバルブを開けていきます。 すると、排水口(溢れ管)から水と蒸気が勢いよく出てきますが、更にインジェクターグローブバルブを開けていくと、 排水/排気が止まり、ボイラーに給水されます。 急速に給水されますので、水面計と水圧計を監視し、入れ過ぎないように注意します。 入れ過ぎると、ボイラー蒸気圧が低下する恐れがあります。 水位と蒸気圧のバランスをとることが大切ですので。

(その3へ戻ります)   (その5に続きます)  


トップページへ戻る