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室内画展の作品の感想(4)

 Nicoleas Maes(1634〜1693年)ニコラス・マースは、レンブラントの下で修行した画家です。大変道徳に厳しい画家で、世間の道楽に批判的な目で見ていたといわれています(⇒フェルメールとその時代・136ページ)。しかし、今回私が感じたのは、彼の暖かい人間性を感じられる作品でした。


揺りかごの傍の母親

Young Woman at the Cradle

アムステルダム国立美術館所蔵


32.5×28cm・油絵・キャンバス
1655年制作

ニコラス・マースの『揺りかごの傍の母親』


 この絵を観て、昨年と今年、京都のレンブラント展で観た(何と3回も行った)『聖家族』を思い出しました。だまし絵の技法です。私個人的には、この絵の方が好きです。


 優しい母親が、赤ちゃんに、そっと布をかけようとしています。


勘定する女主人
The Account Keeper


The Saint Louis Art Museum

66×53.7cm・油絵・キャンバス
1656年制作

ニコラス・マースの『勘定する女主人』


 この絵は、夫が残した店を守る老婦人を描いています。背景に地図が描かれています。生きていくというのは、こういうことなのでしょうか?何故かしら、胸を打つものが、この作品にはあります。



 ニコラス・マースの絵で、一番よくフェルメールの書籍に登場するのは、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにある『眠る召使い』です。よく、フェルメールの『眠る女』の引き合いに出されます(⇒フェルメール・42ページ)。ニコラス・マースの作品は、他に1作品来ていました。


 次のページでは、Gabriel Metsu(1629〜1667年)ハプリエル・メツーについて、コメントを掲載します。ハプリエル・メツーは、フェルメールに匹敵する、力量を持った画家です。

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