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ヘラルト・テル・ボルフ(2)

 マウリッツハイツ美術館のヘラルト・テル・ボルフの名作『喜ばれざる招請』を見落としていたのに、気づいたのは、帰国後でした。妻に、「この絵あった?」と尋ねると、「観たわ。」という返事が返って来た時は、ショックでした。『真珠の耳飾りの少女』に心奪われ、完全に見落としてました。残念です。


 この絵は、オランダの地方にいる兵士を、若い使者が迎えに来た時をあらわしてます。勿論このことにより、戦場に行くわけですから、恋人とも別れなければなりません。


 右の部分の写真を見ると、召喚状を受け取り唖然として使者を見る兵士と、そのかたわらで、『ボー』とした女性の表情がたまりません。彼女の肩にまわした兵士の手からは、温かみを感じられます。


 決してこの若い使者が悪いわけでなく、彼にとっても、この任務は辛いものでしょう。ただ、衣装は鮮やかで奇麗です。明暗も、見事に描かれてます。ラッパも持っています。しかし、寂しい使いなのです。

喜ばれざる招請 喜ばれざる招請(部分)

 
 この兵士のかたわらの女性は、テル・ボルフの義理の妹、ヘジーナ・テル・ボルフ(1631〜1690年)と言われています(⇒フェルメールとその時代・ヘラルト・テル・ボルフ130ページ)。


 この名画を是非、観にもう一度マウリッハイス美術館を訪れたいと思います。


 次のページでは、テル・ボルフが描いた、カワイイ少女の絵を掲載します。


(2002年9月17日作成)



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