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大権現様の、わしの音楽を聴け! 第32回
「絶対演奏してほしいちょっとマイナーな曲」


dg31_sample.gif (61101 バイト)
ロマンス第1番@第2番A(独奏バイオリン、管弦楽伴奏)
(な)ほんと、この曲は採り上げられないですね。
(大)バイオリニストを呼んだにしても、せっかく来てくれるのだから、やはりやりがいのあるバイオリン協奏曲になってしまうな。もしその演奏会をバイオリニストの夕べということにしておけば、メインの大協奏曲にこの曲を2曲付けるということで生で演奏してもらえるかも。しかし、そうでもしなければ演奏してくれないとは、本当に情けない。今は大曲で勝負する時代なのか。
(な)そうかもしれませんね。バイオリン名曲集という企画はあるのでしょうが、ほとんどはピアノ伴奏ですから。このロマンスが管弦楽伴奏だというところが、演奏への敷居を高くしているのでしょう。ほんと、いい曲なんですけどね。残念です。
(大)ぜひ思い出して聴いてやってほしい。生演奏がうれしいんだけどな。

三重協奏曲B(独奏はバイオリン、チェロ、ピアノ。管弦楽伴奏)
(な)この編成では、まず生で聴けませんね。
(大)当時は、この協奏曲を何度も演奏してもらえるとは思ってもいなかった。ほとんど内輪の楽しみみたいなものとして作ったんだ。
(な)でも、フランスではけっこう受けたそうですよ。
(大)実は、こういった複数の独奏者を持つ協奏曲が、たまたまフランスでブームだったんだ。おかげで少しは喜んでもらえたようだ。
(な)しかし、いざ演奏するとなると、独奏者を3人揃えるのは難しいんじゃないでしょうか。
(大)いや、オーケストラからバイオリンとチェロの独奏者を出してもらえばいいんだ。やる気になれば、それほど難しくはないと思うのだが。
(な)簡単とはいえ、普段は演奏したことが無いでしょうから、ピアニストも少し困ってしまうかもしれないですね。
(大)単純明快な元気の良い曲なので、ぜひ聴いてほしい。

「プロメテウスの創造物」序曲C、「フィデリオ」序曲D
(な)どうしても演奏会では添え物の扱いの序曲です。
(大)劇の最初に鳴る、重要な1曲と思うのだがなあ。
(な)おまけに、「レオノーレ第3番」「コリオラン」「エグモント」の3つに隠れてしまい、なかなか演奏する機会に恵まれません。
(大)まあ、何かひとつ選ぼうと思ったら、どうしてもそちらを選んでしまうからな。
 しかし、これら2曲は明るく鳴りまくるぞ。「創造物」は簡潔なソナタ形式で、不明瞭なところは一切無い。「フィデリオ」も、劇の内容を考えなくてもいいように、新たに作り直してある。
(な)たしかに、単純明快ですね。
(大)忙しくて少ししか時間が取れない時には、ぜひこれら1曲聴いて元気をつけてもらいたいものだ。なにせ、10分以内で聴けるのだから、大変お得である。これくらい短いと、どんな演奏会でもさりげなくもぐり込ませることができると思うのだが、それくらい、わけ無いことじゃないかね。

劇音楽「アテネの廃墟」より「トルコ行進曲」E
(な)これも、名前はよく目にするのになかなか聴けませんね。
(大)そうそう。名曲集なんかのCDではよく見るのに、生演奏には、とんとお目にかかったことがない。まさか、モーツァルトと間違えてはいないだろうな。
(な)モーツァルトの「トルコ行進曲」はピアノ曲。先生のは管弦楽です。
(大)しかし、わしの「トルコ行進曲」にはピアノ編曲版があるから話がおかしくなる。ついでに言うと、「トルコ行進曲」の主題によるピアノ用の変奏曲を作ってある。
(な)先生のほうで話をややこしくしているように見えます。
(大)言っておくが、「トルコ行進曲」のピアノ編曲版を作ったのは、わしではないぞ。ピアノの変奏曲にしたのは、わしだが。とにかく、「トルコ行進曲」も、アンコールか何かでいいから、生で聴かせてほしいものだな。


(な)ということで、今回は単純明快で聴いてうれしい曲の紹介でした。
(大)ベートーヴェンはお堅いと思っているキミ、わしは、そんな底の浅い男ではない。


(2010.4.21)



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