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謎の録音紹介


ここは、なかさんの非常に狭い趣味の中から、誰にも誇れないが非常に珍しいベートーヴェン大先生のレコードをご紹介するコーナーです。
 中古市場価格はそれほど高額ではないと思いますが、いざ探すとなったら数年はかかるとみてよいでしょう。ここにあるものはどれも、なかさんの持って生まれた「運」を涙ながらに切り崩して入手したという超貴重品なのです。
 CDのジャケット絵は、こちらをクリック。著作権法上問題がありそうなものは省きました。

スケッチブック、通奏低音の学習、フーガ(図1) RAPTUS RECORD , 3890185A (LP) , 1985
 これは、ベートーヴェンのスケッチブックにあった小曲や、ハイドンに師事していた時に作った通奏低音の作曲練習、アルブレヒツベルガーに師事していた時に書いたフーガが収められているという、まさに超コレクターズアイテムなのである。曲はつまらないに決まっているが、そんなことはどうでもいいのである。存在が信じられない1枚。
 収録作品 Hess 57,61,69,72,73,74,233,236,237,238

ベートーヴェンとネーフェの知られざる作品(図2) RAPTUS RECORD , 3890288 (CD) , 1988
 これも、超珍盤。ベートーヴェンの、故郷ボンにおける師匠ネーフェの、ピアノのための変奏曲2つと、ベートーヴェンの歌曲、ピアノ小品である。交響曲ハ長調のためのスケッチなど、恐ろしいほど珍しい曲が満載。存在が信じられない1枚。
 収録作品 WoO 115,116,119,120,128,134 Hess 59,146,151,298 およびカタログにない小曲9曲。

ブリュメンタールのベートーヴェンと弟子の作品(図3) DURECO , 1159352 (CD)
 ブリュメンタール(pf)、ワルドハンス(指揮)、ブルノ管弦楽団
 弟子のリースのピアノ協奏曲第3番と、ベートーヴェンのピアノ協奏曲ニ長調(Hess15ではない。これは別のもの。偽作らしい)、ロマンス・カンタービレHess13、ロンドWoO6という、珍曲豪華組み合わせ。ピアノ協奏曲ニ長調とは、世界初録音で唯一のもの(であるが偽作らしい)。Hess13の方は、最近また録音された(別記)。
 ブリュメンタールという人は、珍しい曲ばかり録音した女性ピアニストで、他に、ベートーヴェンの弟子のチェルニーの協奏曲などがある。このCDは、およそ12枚のシリーズ中の1枚であり、どうも、彼女が録音した珍しい協奏曲集のばら売り盤らしい。名古屋では、1995年に一度輸入されてから全く見かけていないという、恐ろしく珍しいもの。存在が信じられない1枚。

ベートーヴェン大全集のサンプラー(図4) Deutsche Grammophon , 453811-2 (CD)
 ロマンス・カンタービレ(Hess13)も入っている、1997年DGの大全集のサンプル。力入ってるなあ、ということがよくわかる1枚。このサンプル1枚でも、「マニア向け」であることがよくわかる。日本版出版元の講談社はそれがわかっていないように思う。どんなに宣伝しても売れないものは売れない。一般向けではないのだ。(1998年1月現在、あまりにも全巻予約注文が少なかったためか、予約期間延長をやってました)

クロイツェルソナタ、スプリングソナタ ARTE NOVA(BMGジャパン) , BVCC-6029(74321-43311-2) (CD) , 1996
 マンノ(cl)、シーフェン(vc)、ドレスラー(pf)
 何が珍しいかというと、クラリネットによる「スプリング・ソナタ」、チェロによる「クロイツェル・ソナタ」なのである。2008年1月現在、もう市場から消え去ったかも。クラリネット吹きから見ると、こういう曲があってほしいと強く望んでいるところだろう。また、チェロはチェロソナタが5曲しかないゆえ、もう1曲ほど大曲が欲しいと思うのも当然である。とにかく演奏家の夢がかなった1枚だ。楽器の特質を生かした曲の選択である。

マーラー編「第9」(図5) Centauer Records , CRC2107 (CD), 1991
 サミュエル(指揮)、シンシナティ管弦楽団
 何度も何度も編曲しては演奏会にかけたというマーラーの最終編曲版「第9」。
 第1楽章にトロンボーンやチューバまで入れてしまうという、怪作である。マーラーなんて聴かない私がこういうモノを聴くと、「あ、やっぱマーラーは自分の世界に沈潜しまくった変な奴」という感想になってしまう。そういう生き方を徹底してできるって、ある意味で幸せ者であるな。
 この編曲は「変」に尽きる。特に第1楽章のようにトロンボーンが無い部分。音楽が要求していないのに、そこにトロンボーンを配置する手腕は、「いきあたりばったり」を地で行くスゴさ。ソナタ形式を無視し、さらに各楽章間のバランスを無視した音楽作りは絶品。資料価値しかない。
 他にも、第3、5、7番の交響曲がCDになっている。第6は、もう出ているかもしれない。マーラー編によるシューマン(No.1,4)やモーツァルトの交響曲(No.40,41)も、近々出るらしい。ト短調にチューバが入るとは思えないが、どうなんだろう。

「運命」 日本コロンビア , YF-7098 (LP) , 1985
 
吉川善雄(シンセサイザー)
 これのどこが珍しいかというと、シンセサイザー版なのである。今よくあるシンセと違うよ。いや、今はシンセよりMIDI楽器というのかな。この演奏で使用している装置は、自分で音色を決めて、1音づつ長さや強さの「数値」を指でタイプしていくという、気の遠くなる作業を行なうもの。それを管弦打の全パートで交響曲第5番全曲をやってしまったのだ。音符1つ1つのダイナミクスも制御されている。1985年発売といえば古さがわかるはず。それがわかっていて聴くと、信じられないを通り越している。アマチュアの日本人によるこの作品に込められたその熱意と根気は、並ではなく、深々と一礼したくなる。しかも演奏そのものはオーソドックスな解釈ながら、雰囲気というか熱気が伝わってくる感涙モノ。もちろん機器の古さゆえ、音色は本物と間違えることはない。MIDIなんて言葉が無かった頃の録音なのだから。
 今となっては、再発売はありえないという、超マニアックな1枚である。
 なお、数十台のパソコンとスピーカーを舞台に並べて同期をとって演奏した、サン=サーンスのオルガン交響曲というのが発売されているはずであるが、そういうものと比較すると、どうなんだろうな。

ミュンヘンにおける19世紀の編曲(図6) MUSICA BAVARICA , MB70910 (LP) , 1980
 バッハ・コレギウム・ミュンヘン他
 これのどこが珍しいかというと、管弦楽編曲モノなのである。メインは弦楽4重奏曲第4番、サブに歌曲の弦楽3重奏伴奏編曲版など。バーンスタインがウィーン・フィルを使って弦楽4重奏曲第14番を弦楽合奏しているCDがあるが、それとはワケが違う。なんと管も打もついているのだ。18、19世紀は、よく編曲モノの出版があった。それは交響曲を家庭に持ち込むためにピアノ・ソロ用や連弾用にしたりと、「規模を小さく」したものが普通であったが、これは違う。規模が大きくなっているのだ。ジャケットの解説がドイツ語で読めないからわからないが、編曲の経緯までは書いてないようだ。少なくとも当時はこういうさまざまな編曲があって、それでお金儲けして生活していた人がいたんだなあ、と思うのであった。
 ちなみにベートーヴェンの弦楽4重奏曲で弦楽合奏版になっているものは、第11、14番あたりに結構ある。第11番セリオーソはこれまたマーラー編曲版があるのだ(あまりにオーソドックスな編曲なので、彼の編曲とは気づかないに違いない)。

弦楽4重奏曲Op.18-1 オリジナル版(図7) LAUREL RECORD , LR-116 (LP) , 1981
 プロ・アルテ4重奏団
 じつは弦楽4重奏曲第1番Op.18-1にはオリジナル(Hess32)があって、それはベートーヴェンが友人のアメンダに私的に贈ったものである。その後、弦楽4重奏の作曲に自信を深めた彼が「誰にも見せないで」とアメンダに手紙を書き送ったのがこの曲。現行の版とどこが異なるかを、目立って違う部分の譜例付きで紹介。世界初録音。これ以後の録音は、DGによる1997年版全集を待たねばならない。

2大交響曲のできるまで ソニー , YBCC-6 (LP) 非売品
 これのどこが珍しいかというと、解説レコードなのである。交響曲第5番、「英雄」の曲が、ベートーヴェンのスケッチからどのように生まれてきたかを、バーンスタインがピアノを使用して語ったもの。対訳付き。ラジオか何かのために録音されたもののようである。

ハンマークラヴィーア(ワインガルトナーによる交響曲全集)アルティスコ(LP) CD復刻あり。
 これのどこが珍しいかというと、管弦楽版なのである。ワインガルトナーは、かろうじてレコードの歴史に間に合った大指揮者で、彼は、やっぱベートーヴェンにはマニアックなところがあったようだ。指揮者用の解説本も執筆している(本の紹介ページ参照)が、極めつけはコレだ。ピアノソナタを交響曲に仕立てたこの管弦楽技法は、並のものではない。演奏はSPからの復刻であるから聴きづらいの一言であるが、これは仕方がない。聴いた感じは「第9」の後あたりの作品か、というところ。当然ピアノ的手法の作品であるため、他の交響曲とは微妙にクセが違うな、とよくわかる。ま、とにかく超マニアックな1枚である。今は外盤でCD復刻があるはずだ。

大フーガの解説(図8) musicaphon BM 30 SL 1843 (LP)
 ウーデ、ウェルナー(pf)、ファインアーツ弦楽4重奏団
 弦楽4重奏の大作「大フーガ」の解説レコード。これのどこが珍しいかというと、じつは録音の大半が、解説の朗読なのである。朗読なんだから、かったるい。朗読しているのは論文を書いた本人なのであるが、ただの棒読みであるし、しかもドイツ語なんだから、なかさんには、たまったものではない。弦楽4重奏版演奏は、ファインアーツ弦楽4重奏団。おまけにその解説者本人も演奏に加わった「大フーガ」のピアノ連弾版録音がある。ピアノ連弾版は珍しい部類であるが、ちょっとがんばって探せば見つかる。

神谷さんの熱情 RCA(日本) RDC-4 (LP), 1977.2.2
 ピアニスト神谷郁代さんの、ピアノソナタ「熱情」。しかし、これは"Direct to Disk"すなわち、テープ等を媒介とせず、レコードへの直接の生録音なのである。"Direct to Disk"のレコードは、マニアにとっては珍しくない。なかさんも、ベートーヴェン・ピアノソナタ全集を含めて多数持っているのである。しかし、この演奏はすごい。何がすごいかというと、その雰囲気、熱気なのである。あたかも眼前に広がる、とは、このレコードのことを言うのだ。きっと、これほどまで燃える「熱情」録音体験はもうないと思ったに違いない。なぜなら、普通の録音は何度も録音をやりなおすことができるからだ。"Direct to Disk"の一発勝負の緊張感は、ライブ録音と同等であろう。指がもつれる所はあるが、そんなことはおかまいなしに演奏されるその雰囲気、意気込みを評価したい。こういうのを生きた音楽というのではないだろうか。発売当初はあまり騒がれなかったようであるが、この録音は絶対に持っていたい1枚なのである。

生誕200年記念ピアノコンサート トリオ PA-1145/6 (LP)
 1770年12月16日に、ボンのベートーヴェン・ハウスで行なわれた、イェルク・デムスによるコンサートの全曲。当ハウスに置かれたピアノなどを使用した演奏会で、曲目は、ピアノ・ソナタ第11,26,27,32番およびバガテル2曲、ピアノ・ソナタ第25番(第2楽章のみ)である。ピアノは、ベートーヴェン・ハウスにあるブロードウッド・ピアノとグラーフ・ピアノを使用。
 このレコードは、日本では最初に「トリオ」(ケンウッドのこと)がLPで出していたが、永らく廃盤だった。それを、学研が「カペレ」というレーベルでCD化したのであるが、どうもこの会社は評判がよくない。このベートーヴェンは、たしかレコード芸術にも紹介記事(再発売であるが)が掲載されなかったはずから、私は変だと思ったものだ。私が思うに、契約を無視して流通ルートに乗せていたのだろう、確かバリトンの岡本喬生さんが歌った「第9」(だったか)も無断で発売したことがあった。当然岡本氏は怒り、「レコード芸術」などで再三抗議の広告を出したりした。たぶんそれが影響で、学研はクラシック音楽のCD事業から手を引いたようだ。朝比奈氏の録音も(無断?で)出していたような気がするが、記憶違いだったろうか。
 そして、しばらく後、次はVenus(どこの会社だろう)からCD化された。これも廉価盤で、すぐに廃盤になったようである。私の知る限り3回発売され、3回ともすぐに廃盤になったという、内容はめでたいのに不遇な録音である。

バイオリン協奏曲(オリジナル版、CD)
 ひとことで「オリジナル」といっても、見方がいろいろある。たとえば「初演時の楽譜」「初演しなかったが、最初に、完成した!、と思ったときの楽譜」「ある時点での自筆草稿(複数の可能性あり)」ということであるが、ここでは2種類紹介しよう。
 (1)テツラフ(Vl)、ギーレン(図9) INTERCORD , INT 860.192 (CD)
 自筆草稿に従った、オリジナル・バージョン。
 (2)シモン・ゴールドベルク(Vl)、ミトロプーロス シモン・ゴールドベルク・メモリアルファンドCD制作プロジェクト実行委員会 , SZY-0001 (CD) , 1950.1.14
 ウィーン国立図書館蔵の、自筆草稿。これはテツラフ版と同じ意味でしょう。
 (3)シュピーラー(Vl)、ミヒャエル(図10) koch schwann , CD 316 002 F1 (CD)
 Rudolf Kolisch によるオリジナル版(これが、よくわからんのだ)。
 これらの違いについては、詳しく聴き込んでいるわけではないので現時点では控えたい。いつか、聴いてわかる部分くらいは紹介したいと思う。

「フィデリオ」(図11) DA CAMERA MAGNA , SM92812
 バーデンバーデン南西ドイツ室内合奏団
 編曲で最近有名になったものに、交響曲第5番の弦楽5重奏版とかがあるが、そういうものは載せない。ということで紹介するのは、これ。Sedlaksが1815年に編曲したこのフィデリオは、序曲と劇中の10曲を管楽8重奏に編曲したもので、当然歌はない。最近は編曲モノも国内盤が増えてきたが、こういうものまでは出ないに違いない。室内楽ファン用。

交響曲第5番(図12) RECUT RECORD , REC6002 (LP) , 1949
 エーリッヒ・クライバー、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 エーリッヒ・クライバー指揮の交響曲第5番はデッカの発売で、どこでも売っているが、これは、スウェーデンのリカット・レコードという、特別製のもので、マスターのカッティング工程での余分な処理を省いたもの。日本でいうところの「スーパー・アナログ・ディスク」に相当する。音は他より若干鮮明に感じられる。またカッティング・レベルが一般よりもやや高い。「レコード芸術」か何かでかつて紹介されたものであるが、なかなか見つからなかった。中古盤で発見。

「ピアノ協奏曲第1番」(図13) RECUT RECORD , REC6001 (LP) , 1965
 カッチェン(pf)、ガンバ(指揮)、ロンドン交響楽団
 カッチェンのピアノ独奏によるもの。一般流布のものより、ピアノが若干鮮明であるのはクライバーの交響曲第5番と同様。2枚組で、協奏曲は各楽章を1面毎に入れてあるという贅沢さ。もう1枚の片面に合唱幻想曲が入っている。2枚のLPに、ゆったりと刻んであるわけだ。どちらもカッティングレベルが高く、ピアノはより引き締まった感じで、よくレコード録音評にある「ベールが1枚取れた感じ」というやつに相当している。中古盤で発見。

歌曲のリスト編曲ピアノ独奏版(図14) FSM , S3903 PAN (LP) , 1982
 ヨハネッセン(pf)
 物好きリストは、ベートーヴェンの交響曲をピアノ独奏にしたが、歌曲もピアノ独奏にしてしまったのだ。「ゲーテの詩による歌曲6曲、「アデライーデ」、ゲレルトの詩による6曲、「はるかなる恋人に」を収録。ここにある曲は、ピアノによる無言歌((R)メンデルスゾーン)といった面持ちになる。メンデルスゾーンほど歌心が豊富とはいえませんが。ただそれだけのことなんです。

杉谷さんサイン入りLP FONTEC(日本) , FONC-5025 (LP) , 1979
 杉谷昭子(しょうこ)さんの、「テンペスト」、ブラームス小品、シューマンの「ベートーヴェンの主題による変奏曲」。しかもサイン入り、であるが、中古で買ったもので、サインは「Liber ○○主任! Shoko Sugitani すぎたにしょうこ 1980.7.21」という内容。○○主任は、中古屋に売ってしまったのだ! かわいそうな杉谷さん! ということで、私が厳重に保管しているので、ご安心を。

「比較/ハンマークラヴィーア」(図15)Nimbus Records , NIMBUS 45005 (5LP) , 1979.11.3
 ベルナルド・ロバーツによる演奏。このレコードは5枚組。中には、ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の録音が3種類ある。その3種類が「デジタル録音」「Direct to Disc」「スーパー・アナログ・マスター」の45回転録音になっていて、どれがどれ、という説明が無い。なんと、「あなたは、どの録音がどの方式で行われたか、わかりますか」というクイズになっていて、聴いた人は回答をレコード会社に送って正解を教えてもらえる、というようになっているのだ。それが「比較」の意味である。残念ながら、私には違いがよくわからない。かろうじて、"Direct to Disk"がどれかな、という想像はつくが、正直、自信が無い。自信が無いまま、20年が過ぎようとしているのだ。ご存知の方は、ご一報ください。
 おまけに、76回転による最終楽章の演奏も入っている。

「運命を斬る」 CBS SONY , SOCZ 526-527 (2LP) , 1975
 指揮:大町陽一郎、東京都交響楽団、監修/ナレーション:藤井凡大
 交響曲第5番の解説レコードである。藤井氏が、アマチュア(今は何のプロ?)の頃からあたためていた交響曲第5番の解説を録音したもの。初級から中級向け。この手の録音は、せいぜいバーンスタインのものがあるくらいであろう。ソニーは、こういうことが好きである。
 全音楽譜出版社の交響曲第5番スコア付き。

ふろく
 珍しい録音は、どのように集めるのか。こういったことは音楽に限らずどのようなジャンルでも当然のことですが、あらためて述べておきましょう。
1.定期的訪問
 中古レコード店などは最低2週間に1度の訪問をします。定期的に訪問するということは、熱意も常に持続しているということを意味します。
2.お金は十分に
 突然買うことになるかもしれません。常時1万円は携帯します。この財政面に気遣う努力も、つまり熱意の持続です。
3.雑誌等は広告を丹念に
 当然です。どのような小さな広告も見逃しません。熱意があれば見逃さないのです。
4.他のことにはわきめもふらず
 ベートーヴェンも、モーツァルトも集める、というのはいけません。熱意の集中度合いによって、あなたの運が決まるのです。タバコも酒もギャンブルも当然ダメです。そのようなことは自身のお財布を考えて最低限にします。それらに頭を使うヒマがあったらコレクションに集中します。
 結局、熱意と集中度合いというものがコレクションの品質、量を左右します。これが鉄則です。

この熱意、集中力が極まると、次のようなことができます。
1.2次元的高速検索能力が現れる
 私の場合、どのような状態でも、"Bee"または"ベー"の文字が常に検索されるモードになります。それで、小さな記事からでも"Beethoven"などが発見できるのですね。立ち読み高速検索モードが非常に便利です。
2.3次元的摩訶不思議検索能力が発現する!
  "Beethoven"の文字が無いLPレコードのジャケット表面を見ただけで、ジャケット裏面にある"Beethoven"の文字が見えるようになる。でも、一回しか経験なかったなあ。
3.4次元的霊能検索能力が発現する!
  ある日、突然から京都へ行くことを思い付いたりします。すると、京都に珍しいLPがあったりするんですね。本当です。これは一回しか経験ありませんが。ですが、ふらふらと入った小さなレコード屋に掘り出し物を見つけたということは何度かありました。1990年以前の話です。

 



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