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ネット(国立音楽大学音楽研究所)で読めるベートーヴェンに関する論文


 ベートーヴェンに関する論文、解説は、数限りなくありそうだ。ヨーロッパは、さすが本場。ある本で読んだことには、とある図書館に、ピンからキリまで数万冊のベートーヴェンに関する文献が所蔵されているということだ。無論、自家出版のようなものが多数あるのだろう。しかし、残念ながら日本の出版実績では、おそらく数100冊のオーダーでしかないと思われる。

 そんな数少ない論文のいくつかが、ここ(国立音楽大学音楽研究所ベートーヴェン研究部門)で読めるので紹介しておく。各タイトルの後ろに★があるのは、実際に論文データをpdf形式でダウンロードできるようになっている。あくまでも論文であるが、演奏家によるものは演奏に反映しているのではないか(絶対ではないが)と思われるので、興味深い。
 もう2007年なのに、2004年度分までしか公開されていないのは、単に面倒だからなのかどうだか。また、聴く人にとって有益なものには、●を付けた。

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第18集(2004年度)
森 泰彦(論文)ベートーヴェン《第9交響曲》演奏論序説――録音で垣間見る演奏史の流れ★
野平一郎(論文)ベートーヴェン《ディアベリ変奏曲》の演奏解釈★●
 →そこまで考えなくては演奏できないのかよ。あるいは、本当にそこまで考えたら名演奏かよ、というツッコミはありえるが、「ディアベリ」なら仕方ないか、とも思う。
今井 顕(論文)ベートーヴェンの強弱法――パウル・バドゥーラ=スコダ教授による公開講座:報告と注釈★●
加藤拓未(論文)《オリーブ山上のキリスト》の成立時期をめぐって★
 →取り上げる曲はマイナーで、それに時間を費やしてどうなると思うが、こんなのを読む前にまず聴こう、と反省する自分である。
福本康之(論文)日本におけるベートーヴェン受容X――明治40年までの演奏記録を読む:資料と解題★
長谷川由美子(報告)日本におけるベートーヴェンの楽譜出版――ベートーヴェン受容史の一側面★
藤本一子(報告)報告と記録★

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第17集(2003年度)
檜山哲彦(論文)シラー「歓びに寄す」を読む (当論文は執筆者の意向により、ウェブ公開致しません)
野平一郎(論文)ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番の演奏解釈★●
 →そこまで考えなくては演奏できないのかよ。あるいは、本当にそこまで考えたら名演奏かよ、というツッコミは、ありえるが、第1楽章くらいは、すんなり演奏してほしいもんだ。
土田英三郎(論文)ベートーヴェン《第9交響曲》作品史のための資料★
 →滅多にお目にかかれないので、眺めているだけで面白い。
藤本一子(論文)《第9交響曲》の楽譜とベーレンライター版が提起する問題★●
掛谷勇三(論文)ベートーヴェンが所有していたクラマーの練習曲(T)――シンドラーの書き残した注釈について★
藤本一子(報告と記録)報告と記録★

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第16集(2002年度)
礒山雅(論文)ミサ曲のテキストと《ミサ・ソレムニス》★
今井顕(報告)ベートーヴェンのペダル――パウル・バドゥーラ=スコダによる公開講座★●
野平一郎(論文)《ヴァルトシュタイン》ソナタの演奏解釈★●
 →そこまで考えなくては演奏できないのかよ。あるいは、本当にそこまで考えたら名演奏かよ、というツッコミは、ありえる。勢いで聴かせるだけでもいいんじゃないか、この曲は。
藤本一子(論文)成立状況と研究史を通してみる《ミサ・ソレムニス》★
長谷川由美子(論文)ベートーヴェン初期印刷楽譜におけるプレートの混在――彫版道具についての一考察★
福本康之(論文)日本におけるベートーヴェン受容W――戦時体制(第二次世界大戦)下の状況★
松村洋一郎(論文)ヘンデル作品に関するベートーヴェンの知識★
藤本一子(報告)報告と記録★

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第15集(2001年度)
青木やよひ(論文)ベートーヴェン《不滅の恋人》研究の現在★
 →ちょい有名人では単なる「ゴシップ記事」レベルになるはずが、歴史に名を残す人を相手にすれば「研究論文」になるという好例。
宮澤淳一(論文)グレン・グールドのベートーヴェン解釈★●
 →うだうだと書かれているが、結局グールドにとってベートーヴェンは好みではないらしい。
礒山雅(論文)ベートーヴェンにおける「ダイナミックな形式」の発明★●
 →これは参考になる。しかし、よく聴く人にとっては自明であるはず。
今井顕(論文)「ピアノ演奏へのヒント」――楽譜から作曲家の真意を読みとるには★●
藤本一子(論文)ベートーヴェンのピアノソナタにおけるメトロノーム表示★●
福本康之(論文)日本におけるベートーヴェン受容III――昭和2年(没後100年祭)以降のベートーヴェン(1)★
松村洋一郎(論文)フォルテピアノの復興とベートーヴェン作品★
藤本一子(報告と記録)・連続講座「ベートーヴェン演奏を考える」・シンポジウムとコンサート「ベートーヴェン最後の恋――“不滅の恋人”の意味を探る」★

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第14集(2000年度)
土田英三郎(論文)「いっそうの普及と収益のために」――編曲家としてのベートーヴェン★
藤本一子(論文)ハースリンガーによるベートーヴェン・ピアノソナタ全集の意義について★
福本康之(論文)日本におけるベートーヴェン受容U――明治・大正期の音楽雑誌の記事から★
マルティン・ゲック[藤本一子訳](講演記録)“苦悩のあとに慰めを”――過渡期のベートーヴェンにおけるバッハの影響★
前田昭雄(講演記録)希望という原理――ベートーヴェン解釈の一つの観点★
今井顕(報告と記録)「ハイリゲンシュタットの遺書」★
渡辺裕(講演記録)ベートーヴェン演奏史を読み直す――名機《クレデンザ》で甦るSPレコード時代のピアノの響き
平野昭/藤本一子(報告と記録)オリジナル楽器で聴くベートーヴェンのピアノ曲

■国立音楽大学『音楽研究所年報』第13集(1999年度)
礒山雅(〈ベートーヴェン研究部門〉主任巻頭言)ベートーヴェン部門の発足にあたって
藤本一子(論文)国立音楽大学附属図書館所蔵のベートーヴェン初期楽譜コレクション――その概要と研究意義について★
平野昭(論文)ベートーヴェンの伝記研究の歴史と展望★
長谷川由美子(論文)ベートーヴェンの初期印刷楽譜に見られる書誌的証拠としてのウォーターマーク★
福本康之(論文)日本におけるベートーヴェン受容T――昭和2年のベートーヴェン没後100年祭
ジークハルト・ブランデンブルク[藤本一子訳](講演記録)
ベートーヴェンの《第九》は“シンフォニア・カラクテリスティカか?”★


(2007.3.31)



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