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最近買ったもの2015年夏(後半戦)


■トスカニーニ ベートーヴェン交響曲全集 1950年頃

 じつは全く同じ録音で編集者が異なるものを既に2セットも持っていたのだが、さらに編集者が変わってXRCD用録音を含んだセットだからというので購入。音が良くなったと評判のXRCD用録音は4曲ほどだが、これまでのCDとは少々違うが気にするほどでもない。
 トスカニーニの演奏は、たしかに楽譜の改変、つまりいくつかの楽器で音符を変えているが、受け取る印象は楽譜にほどよく近い。あわせて、録音のせいかきびきびしている。ステレオ録音でないのが残念だが、聴いておくべき演奏だ。トスカニーニは頑固そうな風貌でそういう逸話も多いようだが、協奏曲もうまい(ルービンシュテインとのベートーヴェン第3)し、購入はしていないがショスタコービチの「レニングラード」まで演奏し録音するという幅広いレパートリーのプロフェッショナルである。このあたりがフルトヴェングラーとの相違点だろうか。トスカニーニはプロフェッショナルなのである。
 ではどちらが良いのかというと、どうだろう。
 
 トスカニーニは、演奏する価値があると判断した曲を演奏したのだろう。その結果、普通に広いレパートリーになった。かたやフルトヴェングラーは、お察しの通り、私から見ると狭い。自分の好きな曲を演奏しているのみとしか思えない。これがアマチュアたるゆえんだろうか。もちろん、自分が「これなら自信を持って聴衆に提示できる」という曲に限定することと、「需要のある曲を可能な限り高品質で提供したい」ということは、どちらも聴衆を裏切りたくないという姿勢で評価できるので、結局どっちでもよいのである。ただ、私にはトスカニーニの演奏のほうが趣味であるし、フルトヴェングラーはほとんど聴かないのだ。

■玄人志向 ATX電源600W KRPW-SS600W/85+ 中古

 知らないうちに、デスクトップ2号機が動かなくなった。電源が壊れた。さすがケース付属の無名の安物だ。コンセントにつなぐと、マザーのLEDが点滅。余っていた電源をかわりにつないでみたら、LEDは点滅ではなく点灯。つまり電源の故障。このようなテストのために、電源は予備で持っていたい。ただし、その余りもの電源はパワー不足で古すぎて使えない。
 ということで、ATX電源を買ってきました。なるべくキレイなものを用意。中古で3000円です。しかし、自分には不釣合いかもしれない。現在の仕様はコレであるが、購入できたのは仕様変更前のもの。こうしてパーツをジャンクから探すときも、電源は意外と盲点ですね。買ってみようとは、あまり思わない。

■グラフィックボード Galaxy Geforce GTX285 中古

 上記の電源を買ったとき、ジャンクコーナーにあったグラフィックボードも購入。でも、ゲームはやりませんので中古といえど過剰品質。デカイ部品なので、まずはデスクトップ3号機に据え付け。仕様はコレである。
 で現状のもの(9500GT)を1号機で使っていると、どうしてもMikuMikuDanceのエフェクト処理で重かったりして動きがのろいので、結局1号機をこのGTX285にしたら、やはり動作が軽くなった。なんだ、買ったかいがあったじゃないか。ご覧の通り長いので、ハードディスク2個を移動させるハメになった。おまけにファンの音が大きい。これはどうすればよいのか。さらには重くてたわむ。針金で支えを作って重量負荷分散をして、がんばる。
 ファンの音がうるさいのは、このボードのBIOSを修正することでできた。

■スキャナ Canon、Canoscan 4400F 中古 2000円

 スキャナを20年ぶりに新調しました。とはいえ、4400Fは2007年頃の製品です。それでもけっこう若返った。

■maxell CD-R 10枚パック(在庫整理で安かった、税込み350円)

 CD-Rも、DVD-Rも、日本製がめっきり少なくなった。太陽誘電やTDKは、もう作ってくれない。今回買ったCD-R SuperMQ は、残念ながら日本製ではないが、それでも台湾製であり良しとしよう。CD-Rなんか何に使うのかって? ネットから入手したFLACデータを変換しCDに焼いて、オーディオ装置で聴くためです。

■ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集 ターリヒ四重奏団 1977〜1982録音

 これまで、1〜6,11,12,15,16を持っていたが、ようやく残りの6曲を入手し、完結した。
 この演奏は、CALLIOPEというフランスのレーベルが録音したもので、比較的良い録音をすることで知られている。LP時代は、ジャケットが白地にグレーの文字や写真で統一されていて、そのデザインと同じような、素朴で落ち着いたまろやかな雰囲気に仕上がっていた。それがこの四重奏団の演奏ゆえのことか、会社のテイストなのかはわからない。実はCALLIOPEレーベルで知っている演奏は、この団体のもの程度しか知らないのである。(最近バイオリン協奏曲を買ったが、録音は期待するほどのものでなかった。ロシアで録音したからだろうか)
 この団体の演奏で特に気に入っているのがモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」で、それは後述したい。
 なお、今回の全集完結のために買ったのは7枚組紙箱だが、デザインがケバい。CALLIOPEらしくない。どうしてこう、オシャレなイメージのフランスに似合わないことをするのだろうか。

■モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」他 ターリヒ四重奏団

 Amazonで検索していると、海外では驚くような値段でCDが売られている。投売り状態だ。中古で1円なんていうのもある。おまけに海外からの送料が本当に390円でいいのだろうか。そりゃ、コンテナの隅に小さな封筒を放り込むだけだから大して輸送費が増えないことくらいわかる。が、おまえら本当にそれでいいのか、という疑問を脇にどけて注文したのが上記のCDだ。これは350円だった。イギリス発送で、到着までの所要日数は8日だった。

 実は編成を特に指定していない曲なので多人数の合奏でも四重奏でもよいのだが、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークを聴く機会のほとんどは多人数の合奏であることと思う。このCDの演奏は、奏者4人であることや部屋の大きさの都合などいろいろな理由があると思うが、大変気持ちの良い響きがする。見事に溶け合う響きとその安定感は、奏者も録音も良いが、これで旋律も楽しく構成も確かな名曲ときているのだからモーツァルトの凄さが余計にわかるというものだ。

 で、届いたのを聴いたのだが、なぜかコントラバスがいる。LPのときは気付かなかったのだが実は5人で演奏だった。CDになったら、とたんに重低音が強くて、イメージ通りに鳴ってくれない。なってこったい、おれの思い出を返せ。

■モーツァルト 交響曲集(リンツ、プラハ、ハフナー、ジュピター他) コレギウム・アウレウム合奏団

 ピリオド楽器演奏の草分けであるこの楽団の演奏は、20世紀末に乱立し一世を風靡した同様な多くの楽団の演奏よりも現代風の味付けなので、安心して聴ける。そもそもどのように演奏したのか誰も聴いたことがない18世紀の演奏スタイルを再現しようだなんて、ある程度は可能かもしれないが、決して過度の期待をしてはいけない。したがって、当時の楽器を使うにしても、無理に当時の演奏慣習まで再現を試みる必要は、実は無いのである。

■ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 Hess47, Kinsky-Halm Anh.3, Op.63 ベートーヴェン・プロジェクト・トリオ

 Hess47は、弦楽三重奏曲Op.3の第1楽章を編曲したもの。
 Anh.3は偽作の疑いが強いもの。聴けばわかる通り、せいぜいOp.1くらいの出来。
 Op.63は、弦楽五重奏曲Op.4の他人による編曲。無理に聴く必要なし。当時はある編成で曲ができると、それを別の編成に編曲して出版するのはよくある話だったので、この編曲そのものは珍しくもない。そもそもOp.4が、管楽八重奏曲Op.103(没後に出版)のベートーヴェンによる編曲であるのは、ご存知の通り。


(2015.10.4)



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