最近買ったもの2016年春
■リヒテル ベートーヴェン録音(2枚組)
ソナタ第18番、第28番
ロンドOp.51-1,2、「大公」、5重奏曲Op.16
なんといいますか、ロンド
Op.51-1が「これ一体、どこの名曲ですか」という演奏。ぼやっと流し聴きしていて、突如驚きこれ何だっけと再確認する。音の流れでロンドとわかる。細かい音型が走り回ると、これまたきれい。組曲が全盛の古典派の時代で、単一楽章の曲は一段低い扱いであるが、それを吹っ飛ばす印象である。
再度聴いたが、やまりうまい。同時収録のOp.51-2も、なかなか。
「大公」は、冒頭の気品で勝負が決まると思う。この演奏もたしかに気品のある演奏で始まって良いのだが、やはりこの演奏であってもこの曲はどうも苦手だ。なぜか、鑑賞力が持続しないのだ。Op.16は、ライブ録音だった。
■コンヴィチュニー指揮、イーゴリ・オイストラフ
ロマンスOp.40,50 他
カップリングのモーツァルトとか他の作曲家の曲はどうでもよく、ただロマンスを聴きたいために買った。
■WoO 1 , WoO 7 , WoO
8 Monument records
これらのWoO番号で10番付近は、ピアノまたは管弦楽の舞曲集が集まっている。
昔、LP時代にあったブッフビンダーのピアノ小品全集は、かなりの曲を網羅したスッゴイ全集だったのだが、CD時代になって再発された形跡が無い(と思う)。LPを売り払ったために、同時にブッフビンダーさん、さようならとなり、WoO7,WoO8は棚から一時消えた。WoO8が棚に復活したのはCascadeの爆安ベートーヴェン全集を買ったときのこと(2013年)。しかし、WoO7はなぜか入っていなかったのだ。
ということで、WoO7がやっと復活したのである。
なお、当CDではWoO7は世界初録音と謳っているが、ブッフビンダーのとは版が違うのだろうか。説明文が読めていないので、まだ不明である。
■カラヤン指揮、ウィーン・フィル ツァラトゥストラはかく語りき、他
1960年近辺の優秀演奏。Hyper
Remastering盤が欲しかったので1998年のキングレコード盤を購入。ステレオ録音黎明期のカラヤンは、ウィーン・フィルとの優秀な演奏が多い。
R.シュトラウスのような後期ロマン派の曲は、もともと楽譜に細かくニュアンスが記載されているため、スタジオ録音と演奏会の差が小さくなっている。この曲では、カラヤンのライブ録音を2種類持っているが、およそ同じだ。
※Hyper Remastering盤でなくてよいのなら、ここで一連の録音が聴ける。
■カラヤン指揮、ウィーン・フィル 惑星、他
1960年近辺の優秀演奏。Hyper Remastering盤が欲しかったので(以下略)
しかしまあ、こういう良い演奏が良い録音状態で聴ける今、他の指揮者があえてこれの録音を出す意義はどこにあるのか、考えてしまう。
なお、この曲では初演者ボールトが、カラヤンに対抗できる唯一の指揮者。もっとも、他にはメータ他3人くらいしか聴いていないのだが。
■カラヤン指揮、ウィーン・フィル 交響曲第7番他
1960年近辺の優秀演奏。Hyper Remastering盤が欲し(ry
どうしても第1楽章のテープ編集跡が気になる。カラヤンの正規版では、ウィーン・フィルのベートーヴェンはこれだけではなかったか。
■サヴァール独奏、トバイアス・ヒューム作 音楽の冗談
LP時代に優秀録音を輩出した、今は亡きフランスのレーベル、アストレー(ASTREE 現在
Naiveに吸収)の1枚。この手の古いバロック音楽は、小さなスピーカーで聞き流すのがよい。録音が優秀なのにもったいないことだが、仕方が無い。
ASTREEでは、チェンバロ、ピアノフォルテやリュートの独奏曲、室内楽が多い。つまんない曲が多いところが難点であろうか。
■メータ指揮、ロス・フィル ツァラトゥストラはかく語りき、スター・ウォーズ組曲
LPを売り払った3年前以来聴けていなかったので、今回 Hyper
Remastering盤のCDとした。
それにしても、スター・ウォーズ組曲の空虚なことといったら、無い。
■ミュンシュ、幻想交響曲、ライブ 1967年
ミュンシュ指揮、幻想交響曲 1967.11.14 パリ管弦楽団創立記念ライブ
ギラリと目が輝き口元に意地悪な笑みが浮かんだとき、指揮棒は一閃し練習とは異なる大胆な動きで団員を翻弄した!
幻想交響曲がブッ飛んだ演奏になるのは、通例では曲の性質上第4楽章からなのだが、この演奏では最初からフルスロットル、奇襲である。ミュンシュの裏切りといっても過言では無い突然の波状攻撃に見舞われ翻弄される楽団は、どう立ち向かうのか? 指揮者ミュンシュの暴走で、ワルツは、田園風景は、蹂躙されるがままになるのか! これこそ変態の名をほしいままにする幻想交響曲の、この曲のみが成し得る斜め上の懐の深さを知るには申し分の無い演奏であろう。
(2016.04.10)