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CDレビュー(1)


ここは、大権現様とともに、CDのうんちくをたれようという、バチあたりなコーナーです。

(1)ディアベリ変奏曲を全部聴きましょう。
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(なかさん、以下、な)ディアベリが、当時の著名な作曲家に自分の主題の変奏曲を書かせたという、企画モノです。
(大権現、以下、大)実際の話、つまらん主題でしたな。
(な)このCD(Cypres CYP2601)のような企画、つまり変奏曲を全部集めた録音も稀にありますね。最初はアルヒーフでしたか。しかし作曲家はそうそうたるメンバーですね。
(大)チェルニーも、よくやったよな。リスト君は若かったから、こういう仕事でも何でもこなして、ツテにしておかないとな。シューベルト君は歌曲を作ってりゃよかったのに。それにしてもみんな、たった1分だけ作ってそれで良しとしたのだから、いかにディアベリの企画や主題が陳腐なものであったかがわかろうというものだ。
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(2)カデンツァ全部聴きましょう。
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(な)これは珍しい演奏です(Biddulph LAW 017)。バイオリン協奏曲の第1楽章の有名なカデンツァが全部入ってます。
(大)わしのは、ピアノ協奏曲に編曲したときのものが入ってるな。
(な)順に、DAVID,VIEUXTEMPS,JOACHIM(1st version),JOACHIM(2nd version),LAUB,WIENIAWSKI,SANT-SAENS,AUER,YSAYE,BUSONI,KREISLER,MILSTEIN,SHINITTKE。生年順です。有名どころでは、ヨアヒム、サン=サーンス、アウアー、イザイ、ブゾーニ、クライスラーです。最近のシュニトケもあります。なんと、あの作曲家のサン=サーンスが作っているのですね。
(大)生き残っているのは、ヨアヒム、クライスラーってところだ。作るのが難しいんだ。そんなことより、このおっさんの顔は何だ。ケンカ売ってるのか、てめー。不許可だ、不許可。

(3)当時の編曲が掘り出された。
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(な)当時は、大編成の曲がよく小人数の編成に編曲されたとか。これは、交響曲第5、8番(Bona Nova ,キャニオン PCCL-00321)で、弦楽5重奏。プラハ・プロ・アルテ古楽合奏団。
(大)こういうことが当時はものすごく盛んでな。編曲すると、わしのお墨付きが欲しいと持って来る奴もいるんだ。
(な)そういうときはどうするのですか。
(大)ひとくさり文句を言ってから譜面を見て、難クセつけまくって適当にあしらうのだ。編曲したいのなら金を出せ。

(4)第9のピアノ編曲版は3つある。
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(な)ピアノ編曲はリストが有名です(ピアノ・ソロ版、2台ピアノ版)が、これは、ワーグナー版です(BIS BIS-CD-950)。
(大)ワーグナーも、わしの曲が好きだったからな。というより、あいつは第9ばかり気にしていた。しょせん、声楽好き、とくにオペラが好きなだけなのだ。
(な)これは日本人の演奏ですね。小川典子(下)。しかも合唱付きで、バッハ・コレギウム・ジャパンによる。
(大)女性が演奏しているので、許可である。
   ※ちなみに、楽譜を若干改変して、演奏可能なようにしているそうです。楽譜を見たわけではないですが、良しとしましょう。
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(5)ピアノだって、いろいろある。
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(な)ピアノといえば、普通はスタインウェイでしょうか。でもほんとうは、ベーゼンドルファー・インペリアルが一番ですよね。
(大)使用楽器名でその名前が載ると、一段とハクが付くからなあ。バックハウスはインペリアルだった。
(な)でも、この楽器はまた違いますよ。写真を見ましょう(下)。
(大)左が普通のグランド・ピアノ。右が「クラヴィンス・モデル370」だ。なんと2階建て。
(な)それで、「熱情」ソナタと「プロメテウスの主題による変奏曲」、ソナタOp.22ですね( KLAVINS MUSIC , KM 008 )。一番長い弦が、3メートル。つまり、普通のグランド・ピアノの2倍。トーマス・デュイスによるライブ録音です。
(大)オルガンのような深みのあるピアノだ。ただ単純に聴いて面白い。でも、普通の演奏家がこれを使うとそれまでの自分の演奏が違って聞こえてきてしまうはずだから、興味本位以外ではまず使いたくないだろう。
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(2002.10.12)



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