CDレビュー(3)
大権現様とともに、CDのうんちくを、もっとたれる、バチあたり企画だ。
(1)激安
(なかさん、以下、な)100円です。百円ショップ「ダイソー」で売ってました。カラヤン指揮、ウィーン・フィル、交響曲第5、8番。モノラル。1940年代の録音です。もう売り切れでしょう。
(大権現様、以下、大)おい、1曲50円かよ。
(な)1分2円弱、というところです。
(大)交響曲なのに、ピアニストの手が写ってるのは、どういうことじゃい。
(な)いかにも適当であることがわかります。デザインに悩んでいる費用が無かったから、てきとうに当てはめたのでしょう。
(大)もう一度言う。1曲50円かよ。
(2)雄大?な、のんびり。
(な)ベーム/ウィーン・フィルが最後に録音した第9( GRAMOPHON , 445503-2
)です。また、デジタル録音の最初期のものでもあります。
(大)ゆったりしすぎているのが、論議の的だったな。ボケたかベーム爺、とも言われた。
(な)ゆっくりめならフルトヴェングラーもかなりのものですが。
(大)受ける印象が違うと、テンポが似ていても言われ方が変わるな。
(な)私は大好きな演奏です。
(大)ベーム爺がボケたからではないが、それはつまるところ、ウィーン・フィルが立派だからだ。
(な)このCDは、78分を1枚に詰め込んだ珍しいものです。また、初出時とはデジタルマスターが違います。そのあたりが買う価値があります。
(3)おまけ付き
(な)ライナー/シカゴ交響楽団の第5は定評があります。でも、これで面白いのはオマケ( RCA , SRC-5
)。
(大)オマケが曲目解説だ。
(な)時間が36分で、曲そのものより長いんですよね。
(大)譜例を掲げるよりは、わかりやすいのが吉。解説で売り上げが増えるわけではないので、あまり意味は無いだろう。
(な)他には「悲愴」「新世界」が解説付きでした。
(4)草分け的存在
(な)これが、コレギウム・アウレウムによる、古楽器演奏録音の草分けとでもいうものです( Harmonia Mundi , テイチク
35CT-12
)。
(大)弦楽器が15人しかいない。
(な)これではサマになりませんか?
(大)まあ、貴族の屋敷ならちょうどいいかもしれん。
(な)この録音は、とある城で行われました。
(大)なるほどいい響きをしておる。それだけでも聴く価値はある。ただし、アナログLP盤がよい。
(な)CDもですが、今はどこから発売されているのやら…。
(5)マニアな逸品
(な)たまに見かける、弦楽4重奏曲の多人数版です( Partridge , 1124-2
)。
(大)作品130は、6楽章からなる比較的地味な部類の作品だ。
(な)大勢で演奏するのは、いかがでしょうか。
(大)なんだか、古典派じゃないような感じになるところが、いまひとつだろう。
(な)チャイコフスキーの弦楽セレナードを想像してしまいますね。
(大)そんなもん、おまえは聴いているのか?
(な)ここ10年ほど聴いてません。
(2002.10.16)