CDレビュー(6)
今回は、ライブ録音特集だ。
(1)皇帝の気品
(な)ピアノ協奏曲第5番「皇帝」のライブならコレ。ミケランジェリのピアノ、ジュリーニ指揮、ウィーン交響楽団。
(大)気品があって、しかも「皇帝」に名前負けしていない力強さがある。逸品だ。
(な)冒頭のカデンツァからして、聴かせてくれます。私が大学にいた頃、仲間が小さなスピーカーを買ってきて手作りのラジオから鳴らせていたのがこの録音でした。一聴しただけですごい演奏だと思いました。
(大)まだ売ってるのか?
(な)売っています(2011年確認)。このシリーズには、第1、第3もあります。
(2)熱気の熱情
(な)リヒテルの熱情は、1960年前後に3つあります。これは、アメリカのライブ録音(1961年)。他に、アメリカのスタジオ録音とモスクワのライブ録音がある。
(大)これはもう、なんと圧倒的な。わしにそっくり。
(な)そうでしょう、そうでしょう。
(大)ブラも裂けよといわんばかりの3流パルプSFマガジンのようなノリですな。
(な)表現がマニアックですよ。それじゃ、一般人にはわからない。
(3)円熟の第9
(な)ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のライブ(1980年)です。
(大)ほほう、なんとも立派な演奏ではないか。
(な)ハイティンクはこの演奏でベートーヴェンがサマになったのです。それまではつまらないものでしたが。
(大)やはり、ライブだからだろうか。
(な)たしかにこれ以後、ハイティンクにはこの録音をしのぐものは無いようです。
(大)無いって、そんなに多くを聴いたのか?
(な)まあ、3曲ほどですが。
(4)日本公演
(な)ベーム指揮、ウィーン・フィル、1975年のNHKライブです。第4、7番の交響曲。
(大)第7番が最高! すばらしい。
(な)このおっさんは、ライブが一番ですね。
(大)というか、やはりウィーン・フィルがいいんだろう。
(な)これは日本のみの発売。うれしいコレクションです。
(大)あぅ、日本に来てよかった。こんなにいいものが聴けるからなあ。
(5)生誕200年記念
(な)ボン・ベートーヴェンハウスにおける、生誕200年記念演奏会です。イェルク・デムスによる、ソナタ第11、26、27、32番ほか。
(大)わしが持っていたピアノのうち、2種類を使った演奏会の全曲収録だ。あぅ、感激じゃ。
(な)ただし、今は発売されていません。
(大)なに、うう、またわしをないがしろにしおって! どこか発売せんか!
(2002.10.18)