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私のCDプレーヤーの変遷



 CDプレーヤーが生まれたばかりの1982年頃、それは20万円とか30万円という価格で、給料一ヶ月分が軽く飛んでいくものだった。無論、安くならなければ普及するはずがない。各メーカーは機能を向上させつつ、価格を数分の1にするという難題に向けて、しのぎをけずっていた。
 そんな価格の動きはいわば、今(2008〜2009年)でいうところのブルーレイディスクレコーダーのようなものだ。


1983年 YAMAHA CD-X1 99,800円
 急激な価格の変化だった。この機種が出た頃に、やっとCDプレーヤーが10万円以下になった。まだ私は大学生であったが、バイトで貯めた金に、親にも協力してもらって買ったのである。それはうれしかったが、しばらく後で、量子化ノイズについて知った。当時は量子化ノイズが非常に問題になった時期で、この機器でも耳を澄ませば「サー」というノイズが聞こえた。これがどんな音を出していたかは、もう記憶に無い。
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1987年 YAMAHA CDX-1000 89,800円
 量子化ノイズを克服するには、結局のところデジタルなデータを高い精度で計算しなおしをするのが一番簡単だった。2台めのこの機器は、そんな当時の流行に則って、8倍オーバーサンプリング、18bit処理というカタログ・スペックを持つ。当時は時間軸方向のデータの密度を計算で4倍とか8倍にしたり、あるいはCDの16bitを18や20bitに見かけ上細かくして処理するという数字の競争だったのだ。
 私は就職して、そこそこ貯金が貯まってきたが、どのメーカーが良いかなんてまだわかるはずもなく、もう一度YAMAHAの製品を買ったのである。パネルの表示内容を切り替えるとノイズの量も切り替わるのにはまいった。量子化ノイズの件が落ち着いた代わりに表示パネルのノイズが問題になり出したのはこの頃である。このCDX-1000がどんな音かも、正直なところ、全く覚えていないはずだった。が…
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1991年 Accuphase DP-70V 480,000円
 Accuphaseは、昔も今も日本が誇る高級機専門メーカーだ。そこが8倍オーバーサンプリング、20bit処理で出した装置がこれ。上のYAMAHAの購入から4年も経っているのに処理するbitの数が2個増えただけなのかと思うかもしれないが、音は全く違っていた。
 DP-70Vで聴いた途端、そのしっとりなめらかな音に驚いたものだ。4年という歳月と5倍以上の価格の開きは、こんなにもすごいものだったのか。これを一度聴いてしまうと、CDX-1000の音はザラッとした感触がまとわりついていて、とにかく気持ちよくない。比較してはいけないと思うが、ど素人ですら、容易にわかるものだった。
 ちなみにこの時使っていたアンプはサンスイの7万円程度のもの、スピーカーは1本6万円程度であった。その後、アンプがAccuphase E-406 になり、スピーカーが買い替えられた。スピーカーケーブルやピンケーブルにやや高め(といっても、1メートル1000円程度)の製品を買い出したのも、この頃。
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2004年 ポータブルCDプレーヤー Panasonic SL-CT510
 ふとコレを買った。さすがに、しっとりなめらかとは言わないが、そこそこ聴かせる音になっている。じつは、これ以前、1990年頃にポータブルを1台買ったのだが、ひどい音だった。さすがに10年以上経てば良いものができる。ちなみに付属のイヤフォンはひどい音で、1,500円ほどの耳掛けヘッドフォンにすると格段に音が良くなった。充電池が長く使える仕様で、大変ありがたい。
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2009年 ポータブルCDプレーヤー Panasonic SL-CT520
 ポータブルCDプレーヤーが各社で相次ぎ生産中止となり。2009年はSONYとその他弱小メーカーを残すのみとなった。将来に不安を感じて買った。中古ながらあまり使われていなく、良品だった。生産終了が2008年初めのはずなので、修理は2015年までは大丈夫である。

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2009年 KENWOOD DP-K1000 40,950円
 DP-70Vの左チャンネルの増幅用トランジスタがお亡くなりになり、修理に5万円程度かかるため、こちらに買い換えた。同価格帯の製品にはマランツ、DENON、オンキョーなどがあったが、
(1)ヘッドフォン端子やボリュームなどの余分な回路が無い。(2)故障の噂が頻出しない。(3)上位機種の劣化コピー版ではない。の3点により、これに決めた。年老いて劣化した耳には、機器固有な音の性格の違いはあまり考慮していないのである。
 設置してすぐに、天板の上に本を3冊ほど置いて共振を無くす。さすがにAccuphaseのなめらかさは無いが、ザラついた感じはしないので、これで良しとする。しかし、資金が豊富で耳が若かったらAccuphaseの音から逃れることはできなかっただろう。

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(2009.3.15)



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