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今年買った室内楽(2012)


 室内楽はどうしても弦楽四重奏曲に向きがちである。そりゃ、あの陣容を見れば仕方が無い。で、なんとかそれを超えてもピアノ三重奏曲やバイオリンソナタなどが控えている。しかし、さらにガマンして奥へ行ってみよう。

ナッシュ・アンサンブル hyperion CDA67745
 ピアノ四重奏曲 Op.16、弦楽五重奏曲 Op.104、「2つのオブリガート眼鏡をつけた二重奏曲」WoO32
 何が良いかというと、まず、元が管楽+ピアノのOp.16であるが、ここにあるのは弦楽+ピアノによる四重奏版ということ。実はこれがCDでも希少なのだ。加えてピアノ三重奏Op.1-3の編曲であるOp.104もついているので、とってもお得。おまけに「眼鏡」付きときたもんだ。これはもう買うしかない。「眼鏡」の第1楽章は好きな音楽である。
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ウィーン八重奏団 DECCA ELOQUENCE 480 2403

 2枚組。七重奏曲 Op.20、弦楽五重奏曲 Op.29、六重奏曲 Op.81b の3曲に、おまけにシューベルトの八重奏曲。そんなおまけはどうでも良くて、七重奏曲が欲しかったのである。七重奏曲は、この録音とあわせて、ディベルティメント・ザルツブルク盤(1977)、ウィーン・フィル室内アンサンブル盤(1975)、バリリと仲間たち盤(1954)の4つがあれば十分だと思う。
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イザイ四重奏団 「弦楽五重奏曲と、弦楽のための貴重な作品」 YR506

 弦楽五重奏曲 Op.29、フーガ Op.137も一般から見れば珍しい部類に入るが、このCDでは、メヌエット Hess33、前奏とフーガ Hess 30、ヘンデル曲を編曲のフーガ Hess 36 という珍曲に加えて、さらにさらに!1999年に
サザビーズで競売となった新発見のたった23小節の断章「アレグレット ロ短調」という大変貴重なものも入っている。1817年作と思われるこの曲は、他にエンデリオン四重奏団による録音があるのみだったと思う。とにかく、珍曲ばかりの1枚。そのためか、おまけに付いているピアノソナタOp.14-1の弦楽四重奏編曲版が、ごくありふれた曲に見えてしまうという不思議な世界。
 このロ短調の小品はどんな感じかというと、「たしかに後期の四重奏曲出現を目前に控えたような、おお、これは良い! え、あー、もう終わっちゃった」。作曲の経緯、つまりイギリスからのお客様に記念に作ったという即興性を考慮すれば、短すぎるのは仕方がないことなのだが、正直最低3分くらいの長さで作っておいてほしかったなあ、という曲である。ベートーヴェンは出版社への売り込みをしっかりやる人だったので、シューベルトとかと違って大曲がどこかの蔵に死蔵されるようなことが無いからには、たった十数秒の曲の発掘でも貴重で話題になるのである。
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(2012.9.12)



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