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ご参考)Douk Audio U3 ヘッドホンアンプ


 Douk Audio U3 ヘッドホンアンプ

 実売3700円。超安物と言ってよい。Douk Audio は中国の、いわば平均以下と言ってよいメーカーではないかと思う。ブランド名は Nobsound といい、ネットではよく見かける。ネットでよく見かける中国オーディオのブランドでは、Topping と S.M.S.Lが上級〜中級に相当するように見える。FX-AUDIO-は中級かやや下であろうか。Douk Audioは、底辺といってよい。そう思うのも当然と考えてしまうのが、この U3 というヘッドホンアンプだ。 この製品の謳い文句は「クラスA ヘッドフォンアンプ」だ。何がクラスAやねん、と思うだろう。ちなみに、クラスAは、トランジスタの使い方に関する表現だそうだ。
 電源は別売りで、DC 5〜20Vになっている。入力電圧に応じて変圧する仕組みを内部に持っているのだろう。これがどんな悪影響を及ぼすのかどうかはわからないが、何か、面倒な影響があるように思えて仕方がない。
 
 電源スイッチは背面にある。筐体を小さくするための処置だろう。背面のアナログ入力はRCAが1系統。金メッキ端子ではない。電源入力は外径5.5mm内径2.5mm。
前面はボリュームとヘッドホンジャックのみ。
前面の6角ネジ4個と背面のRCA端子付近のネジ1個をとるとケースから基盤を取り出せる。オペアンプが1個、NE5532Pが載っているが、これは交換できる。オペアンプは2回路用で、1個の中で左右チャンネルが使っている。このためクロストークの数字には悪影響があるはずだ。

 驚くのは後段のトランジスタ4個だ。平面側が削り取られて、型番は不明である。この形状のトランジスタを検索してみるとわかるが、ほとんどが値段の安いものである。一般小売価格が1個10円のものもある。もちろん、安くても性能が良いものもあるはずなので侮ってはいけないが、型番が不明なのでなんとも言いようがないのだ。「クラスAステータスで動作する1300mAの大電流出力トランジスタ」という謳い文句が白々しく聞こえるが、落ち着いて製品の価格を見たまえ、その価格なら、こんな程度である。最初からわかっていたはずではないか。表面を削り取ることさえしなければ納得できたはずなのに、何だ、この騙されたような感覚は。

 では聴いてみる。DC12V電源につなぐ。ここでは、NFJのノイズフィルターを介して接続する。スイッチを入れる。ブチッという音。もちろんこのノイズを出さないための工夫をする金銭的場所的余地はこのアンプにはない。電源投入時はボリュームを最低にしておかなくてはいけない、と思ったら、ボリューム最低でもノイズが入る。切断するときもノイズが入る。不快極まりない。電源を入れてからヘッドホンをつなぎ、ヘッドホンを抜いてから電源を切断する必要がある。さて、音声入力無しのまま、ボリューム最低とする。ブーンというノイズが乗る。ボリュームを上げる。ある程度上げると、別のピーというノイズが出てくる。音楽にマスクされて実際には問題ないだろうが、安物はこんな程度であろう。なお、しばらく電源を入れっぱなしにしておくと継続的なノイズは減少していくようだ。聴いている分には、特に問題ないと言える。
 オペアンプをNE5532Pから、LME49720NAに交換したが、さほど変わったという印象が無い。もしかしたら、後段のトランジスタの影響が強く、変化が隠されているのかもしれない。
 とにかく、安いことによる不都合は目を瞑っても、トランジスタの表面さえ削らなければよかったのに、と思う。

(2020.6.25)



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