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WAVEファイルを編集する


 いつか別のページで、CDに含まれるノイズについて書いた。

 実は先月(2011年6月)に、大好きな曲にノイズを見つけてしまい一気にグレーな気分になった。その曲が収録されているCD3種類を聴いたところ、全く同じ位置に同じノイズがある。そう、曲のマスター音源にノイズが混入しているのだ。とにかくガックリきた。大変小さなノイズなので半年以上気付いていなかったのだが、見つけてしまったからには、もうダメだ〜。気になって仕方が無い。
 ということで、音源を修正しようと試みたわけだ。

 使うソフトは、SoundEngineFree。フリーソフトである。最新版はWindows2000では動作しないので、半年ほど前のバージョンを使う。
 このソフトは、指定範囲を速度を変えて再生できるので、波形を拡大しながら丹念に調べた結果、ノイズの位置が判明した。下図の黒い部分がそれである。なんとなく細かい波形が重なって乱れているような感じがしないでもない。
edit_sample1.gif (40562 バイト)
 時間にして、約0.02秒。音が約7mを進む時間という、なんだかよくわからないような短さだ。この波形で見える一番大きな波は低音になるが、周波数はおよそ70Hz。ノイズがある部分は、その約1.7周波分にあたる(ように見える)。
 たったこれだけの長さであるのに、耳には「チッ」と長めに聴こえる。試しに、この部分を削除して聴いてみる。ノイズが聴こえなくなった。ただ、削除したのみでは確実に曲が短くなっているし、波形にズレが生じてしまう。これではいけない。

 そこで、削除した部分と波形が似ている直前の部分から、約1.7周波分を複写し、ノイズの部分があった部分に上書きしてしまう。下図の黒い部分が、複写元である。
edit_sample2.gif (487134 バイト)
 これで、無理なく聴けるようになった。うまくできたのも、音の変化が少ない部分であったためだ。常にこれでできるとは思えない。
 実際に業務用のソフトなら、CDのサンプリング周波数(44.1KHz)で表現できる最小の長さを単位として編集できるだろうが、御家庭での修正はこれで良しとしよう。というか、アナログの時代のレコード製作では、録音したテープを切り貼りして編集し、演奏のキズを消していたのだ。それと比べれば、はるかに精度の良い編集ができたと思う。できあがりが下図。
edit_sample3.gif (33372 バイト)
 と、一応安心できたのだが、おそらく他にもノイズはあるのだろう。幸いというか、ノイズがあっても他の音が大きくて気付かないだけだろうと思う。何度も何度も聴いて初めて発見できるようなノイズを消して品質を保証するというのは本当に難しい。

 ちなみに、こういうデジタルなノイズはCDからリッピングする過程でも混入する。デジタルだから安心というわけではない。パソコンで音楽CDをコピーしても完全には同一にならないのだ。実際にノイズの入ったCDを作ってしまった経験がある。
(2011/7/14)



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