Finale Notepad (いわゆる機能制限版)がフリー版になったよ
楽譜作成ソフトの Finale
で、最も下位のバージョンである Notepad
がフリーソフトとして提供された
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ここ数年は1050円で提供していたが、今年は無償に戻した。
世間一般の音楽では、まれに途中で拍子や調性の表記は変わるものもあるはずだが、そんな曲にNotepad版では対応できない。また、トリルやターンくらいは書けるが、短前打音符は書けないし、最大8段までしか並ばない。つまり、作曲家には大変物足りない代物だ。
しかし、小/中学の音楽教育レベルで使うなら問題ない。譜面例を作成するくらいなら、なんとかできる。小/中学生に操作できるかというなら、慣れるのに時間がかかるとしておこう。授業1コマ分の完全停滞は必須だろう。
このソフトのいいところは、ある程度自動で音符を整列してくれて、出来上がりを音で確認できること。これがわかったら、ひとつ上のバージョンを買ってもいいなときっと思うだろう。ただし作曲する人は、だ。
私は絶対音感が無いので、知らない曲を楽譜にして見たい場合には、wavetone
( http://ackiesound.ifdef.jp/ )という聴き取り用ソフトを使って音程を確認し、Finale
Notepad に書き込んで、そのまま音で再生してみるのだ。
下例は、wavetone で、曲(wavファイル)を取り込んだところ。
パニアグアの「Fandango」というアルバムにあった11曲めのFandangoの冒頭である。
私のような音感の無いトーシロでも、和音まで書き取ることができる。
下例は、wavetone で判明した音を、Finale Notepad
で並べて書いてみたところ。
Fandangoを実際に楽譜にしてみた。これに実際の曲に似た音を割り当てれば、曲が聴けるのだ。
上の例では途中で拍子が変化しているが、 Finale Notepad
では実際には書けない。それではなぜできたのかというと、「別のMIDI作成ソフトで拍子が途中で変わるMIDIの仮データを作成し、それをFinaleで読み込ませた」のだ。Finaleではできない「曲の途中で拍子が変わる」ということだけの仮データであって、実際の多数の音符や足りない小節は
Finale 上で作成した。この手法を使うと、Notepad上で何十段もの管弦楽スコアを作ることもできる。でもまあ、短前打音とかが書けないんじゃ、古典派の曲すら書けないんだが。
ちなみにこの Finale Notepad、実は Windows 2000
にはインストールできないが、うちの Windows 2000では動いています
(2012.6.12)