ヘッドフォン オーディオ・テクニカ ATH-A900 , ATH-T300
ヘッドフォンを使いたおす、というほどでもないが
ヘッドフォンを2つ持っている。一方はATH-A900。これは自宅専用である。私にはかなり良いヘッドフォンだ。耳が爺なので、これで十分すぎるくらいでもある。
もうひとつはATH-T300。いわゆる安物なのだろう。
どちらも選択の最大の基準は、耳がスッポリと収まることだ。私の耳は普通より少し立っているので、耳がスッポリ入らないヘッドフォンは、耳タブが押さえつけられて痛いのだ。耳掛け式は、低音が出ないので問題外。インナーイヤー式は、耳垢で汚れるのでこれも問題外である。
あれこれ視聴して選んだというわけでもないので今回は以下の2点について書き残しておきたい。
・イヤーパッドの交換
・ヘッドバンドが折れる問題
■ATH-A900のイヤーパッド(耳当て)の交換に挑む!
ATH-A900は通常店舗での売価20,000円あたりの比較的良質なヘッドフォンであった(現在は、後継製品
ATH-A900Xである)。これの唯一とも言える欠点は、イヤーパッドが痛むと、そこから黒いゴミが落ちるところである。そのため、あまり使わなくても数年でイヤーパッドを交換することになる。私の場合、購入後10年近く経ったのでイヤーパッドがボロボロになり、純正交換品を買って交換することにした。
※皆さんがこれをよく読むあるいはあまりよく読まずにかかわらず実際に交換時にヘッドフォンと交換部品に損傷をきたしても、当方は責任を負いません。
1.購入
取替え用のイヤーパッドを購入する。
ATH-A900のイヤーパッドで純正品でないものを使いたい(もしくは純正品が見当たらない)場合は、ここを参考にするとよい。
2.準備【最重要】
指のツメをきれいに切っておく。とがった部分は危険なのでヤスリでケズってなめらかにしておく。
3.古いイヤーパッドをはずす
取りはずすのは簡単であるが、丁寧にはずそう。1個めで取りはずす要領がわかったと思うので、2個めではよりきれいにはずせるはずだ。
4.交換用の説明書をよく読む
わかりにくいがパッドの向きが重要だ。
5.古いイヤーパッドで、取り付けの練習
たった今はずしたばかりの古いイヤーパッドで、取り付けの練習をしてみよう。
古いイヤーパッドの周囲が少し伸びていると思うが、それを考慮しながら体験する。
これが、やってみると怖い。
スポンと収まるわけではない。強く引っ張りながら、少しずつ動かす。ヘッドバンドが丈夫だからいいものの、もしヤワだったら既に折れているところだ。指がパッドの周囲にある樹脂を引くと、破れるのではないかと心配してしまう。
音が通りぬける布状の部分に指が当たるはずなので、もしツメが伸びたりしていたら、誤って裂けてしまうかもしれない。また、スピーカー部分などに触れたり力がかかったりしないように、おっかなびっくりでがんばる。
そっと、しかし強い力で。あせらずあわてず、少しずつ。。
かなり力を入れないとうまくはめ込むことができないのがわかるだろう。それを知るためにも、少々伸びたとはいえ古いイヤーパッドで練習するのは必須と思う。
6.本番で取り付け
よし、がんばってみたまえ。
7.備考
当然のことと思うがヘッドフォンは髪が乾いているときに使おう。そうでなくても身体から出る湿気でパッドやスピーカーが傷んでしまうので、CD1枚分を聴いたら、しばらく休憩させるのがよいだろう。
8.感想
こんなに交換が面倒なら、ボロボロになる可能性の少ない素材のイヤーパッドに思い切って交換してしまうのも手であろう。しかし、この型式用のパッドの、サラサラの触感になじんでしまうとそうもいかないので困る。
■ATH-T300のヘッドバンドは、すぐに折れる!(ただし)
ATH-T300は通常店舗での売価3,000円あたりの比較的安価なヘッドフォンである。まあ、価格相応のあたりさわりのない音とでもいうのだろうか。この値段では贅沢なことは言えない。これの唯一とも言える欠点は、ヘッドバンドが折れ易いことである。折れる位置は、ここだ。図はちょっとデフォルメしてある。ここはバンドを広げたときに、最も力が加わる場所だろう。
私は外に持ち歩くので、折れるのは仕方が無いことかもしれないが、ネットで探すと、折れた経験のある人は多そうだ。これは材質に見合わない形状を設計したという、簡単に言えば設計ミスである。
私が最初に修理したのは2013年末。頻繁に外出のお供にしてから半年後である。その時は、プラスチック専用瞬間接着剤で貼り付けたのみだった。
右側が折れたので修理したら、1ヶ月後に左側が折れた。そして9ヶ月後の今、左側が再び折れた(接着部分がハズれた)。
今回は、補強材も使って修理(というほどでもないが)する。用意するのは、厚さ0.5mm程度、3mm×4mmほどのプラスチック片2ないし3枚。硬質プラスチック専用瞬間接着剤。ピンセット。
1.補修その1
切断面に、ごく少量の瞬間接着剤で補修。切断面全体に接着剤を塗るが、無理を承知で書く。なるべくハミ出さないように。とりあえず乾くのを待つ。
2.補修その2
構造上、矢印の部分は3本の溝のようになっている。切断面が見えるはずなので、そこに添え木のようにプラスチック片を当てるという位置関係で、瞬間接着剤で貼る。
3.備考
もともと接着面積が狭いので強度は期待できない。とりあえずの単なる補修である。気休め程度だ。半年もてば良しと思っておこう。
4.反省
次回の購入では、ヘッドバンドの構造にも注意しようと思う。
というところでこの記事は終わりのはずだった。しかし、つい先日、ある店舗でATH-T300を見つけて壊れやすいあの部分をよく見たら!なんと補強されていた。いわゆる「予告なしの仕様変更」である。どれほど強度を確保できたのかわからないが、さすがにかなりマシになったのだろうと思う。値段が手頃なので、またこれにしようか、それともコードをもうちょっと強度のあるものにしようか、悩む。
(2014.10.05)