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「これこそ正しいベートーヴェンの聴き方」
途中が面白い


途中がいいのだ!

 目立つといえばメロディーで、第1主題とか○○の主題とかが、譜例として掲載されることが多いわけなのであるが、そんなのが面白いのはあたりまえ。ここでは、目立たないところで面白いメロディーをいっぱいあげてみたいのである。

(画像が重くて、申し訳無い)

3重協奏曲 第1楽章より
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 こういうところが、重厚さを示していてよい。軽い曲に受け取られがちのこの協奏曲であるが、「英雄」とほぼ同時期に作られただけあって、和声の充実度はすばらしいのである。別ページでも書いてしまったが、ここでは、第2バイオリンとビオラが、3音による和声を作っている。そこへきて、チェロとコントラバスが、轟然と駆け上がるではないか。もちろん、管楽器やティンパニも黙ってはいない。ううむ、まさにかっこいい瞬間である。この第1楽章では、合いの手の部分に面白い個所が多い。カラヤン指揮の録音もスゴイが、フルトヴェングラーがコレを「英雄」のように演奏したら、どうなったであろうか。この低音の駆け上がりで思い出すのは交響曲第7番、冒頭の序奏である。あれも、豪快であるね。

交響曲第2番第1楽章より
sym2_1.jpg (48683 バイト)
 この躍動感、前進する力がすばらしい。熱き思いが込められているが、とても「遺書」を書いた頃の作品とは思えない。チェロとコントラバスのみではなく、ファゴットやビオラまで動員しての低音の主題は豪快である。アクセントを付ける第1バイオリンと管楽器は、半小節ずれているのも良い。譜例では右端の小節から続く躍動的なフレーズは、まさにベートーヴェンのアレグロの真骨頂である。

交響曲第4番第1楽章より
 下記は提示部の末尾であるが、譜例最初の2小節のリズムも面白いが、次の6小節の和声の動きもまた面白い。ディンパニのアクセントも良い。コントラバスもチェロとは別に動いているぞ。
sym4_1_1.jpg (35194 バイト)
 そして続く次の例のシンコペーションが、これまた颯爽と快速運転の爽快感があるのだ。
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とにかく交響曲第4番第1楽章は、比較的短期間で作曲されたらしいので、どの部分にも即興風のひらめきがあって、たいへん面白い聴き所なのである。



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