LPレビュー(2)
今回は、ライブ特集です。
(1)ライブ録音はいいですね。
(なかさん、以下、な)「皇帝」のライブ録音です。シュナーベル記念コンサートより、シューアのピアノ、フライシャー指揮、ニュー・イングランド音楽院管弦楽団、1982年12月17日(AUDIOFON
2018)
(大権現、以下、大)うれしいね。こういう生演奏は。
(な)フルトヴェングラーなどのモノラル時代の巨匠はライブ演奏の録音が多いですが、レコードが発達するとライブ録音が少なくなりますね。
(大)この録音は迫力があっていい。逆に録音を目的とした演奏は、どこかおとなしいような気がする。
(な)それより、私としては当日の全曲をそのまま収録してほしいですね。雰囲気を味わいたい。拍手もしっかりほしい。
(大)そういうことではライブ録音などといいながら拍手が聞こえない録音があるが?
(な)あれはわざとカットしているのです。
(※2006年頃、CD化されました。しかしミスタッチが多い)
(2)もうひとつライブ録音を聴きましょう。
(な)アムネスティ・インターナショナルのための、慈善演奏会。オール・ベートーヴェン・プロ。レオノーレ序曲第3番、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第5番。アラウのピアノ、バーンスタイン指揮、バイエルン放送交響楽団。1976年10月17日の全曲収録です。LP2枚組み。
(大)これは、売上の一部が寄付されるという特別なレコードだな。
(な)そう。だからCD化はされていない。珍品です。(※2007年、CD化されました)
(大)これはどのようにして入手を?
(な)中古レコード屋で発見しました。迷わず買いです。
(大)売った人はなんとももったいないことを。
(な)そうですね。演奏会の全曲収録なんて、めったにありませんからね。
(3)まだありますよ。
(な)でも、こういうのもあります。バックハウスのカーネギー・ホール・リサイタルです。1954年3月30日、全曲収録です。モノラルですが。CDにもなっています。LP2枚、分売。CDでは、組み売りだったはず。
(大)「悲愴」「テンペスト」「告別」「かっこう」「第32番」
(な)いいですねえ。こうして、ひとりの作品で一晩の演奏会を全曲揃えることができるのは、そうはいませんぜ。
(大)ふっふっふ。わしの曲はバラエティに富んでいるからな。どんな曲の組み合わせでも舞台にかけられるぞ。
(な)どんな組み合わせがお勧めで?
(大)「第1番」「第6番」あたりで軽く攻めて、「熱情」で前半を締めよう。後半は「ワルトシュタイン」でボデーにパンチだ。次に「田園」でやさしく慰め、最後は「31番」あたりでうっとりさせるのはどうだ?
(な)なんとでもできますね。
(大)皆さんもご家庭でお試しください。
(2002.10.28)