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クライバー息子は気に入った昼飯ばかりを毎日食ったのだろうか


 最近めっきりCD屋に足を運ばなくなったが、たまに行く中古屋で結局1枚買った。

Memories ME-1005、クライバー&バイエルン国立管
 交響曲第4、7番、他

 CDには収録年月日が記載されていない。しかしデジタル録音だと書いてある。そこそこ鮮明なのだろうと期待して買う。というところで何も知らずに聴いていたらどこかで聴いたような。そりゃクライバー息子だもんな何度も収録してるしなこっちも何度も聴いたもんなと思ったが、ネットで調べると1986年5月の来日公演とある。以前にテレビ放映した来日公演(録画を残してある)と同じじゃないか。そりゃ聴き覚えがあるはずだ。

 クライバー息子は、カール・ベーム追悼公演とか、VTRで発売されたバイエルンのご当地ライヴとか、みな同じ2曲だった。まあ、飽きもせず同じ曲目で演奏会をするなぁと、いつも同じような音楽しか聴かない私が言ってみる。同じ穴のムジナである。私は「これはうまい!」と思った音楽、じゃなくて唐揚昼定食を週に4回連続で食べに行ったような人間なのだが、定番嗜好(指向)という点で同じなのか。そういうことでクライバー息子が定番嗜好なら、カラヤンの方を向いているのはあながち間違ってはいない。どんな曲でも定番たるべき演奏はどんなものだろうと思ったら、カラヤンを学ぶのは良い筋だと思う。

 クライバー息子はある時期に、やりたくない演奏会の予定を全てキャンセルして、それ以後は好きな時に好きな曲しか演奏しなくなったというらしいが、もし世の演奏家が好きな曲、得意な曲しか演奏しなくなったら、どうなるのだろうか。今ある名曲が本当に受け継がれていくのだろうか。実はあっさり消えて無くなる曲がけっこう多くあるのではないか。

 そりゃ、好きな曲、得意な曲ばかりなら演奏もうまくできるだろうから聴く方も安心できるのでありがたいが。しかしそんなことを考えていると、ある演奏家で珍しい曲を聴けたとしても「こいつ、イヤイヤ演奏してないか?」などと勘ぐったりする嫌味な聴衆になってしまいそうである。

 そうそう、中古屋で替え歌(?)「朝ごはーん!」を見つけたが、買うのをやめた。525円だったが、話のネタにしかならないのに525円は浪費である。ま、「飯」つながりってことで。

(2012.5.18)



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