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No Music , No Life


ここの内容は、愚痴です。

多く持つ者の悲哀

 「皆さんはCD(や、LP)を何枚お持ちだろうか」
 などと型どおりの質問で始まるのもパターン的に気に入らないのでそのまま本題に入ると、「何でも多すぎるのは大変だ」しかも「その方面の趣味でない人には無駄としか映らない」しかし「それらを所有している人には代えがたい何かがある」ということである。概略は書ききったぞ。

 趣味嗜好も合わない、しかも知識も無い人に一方的に仕分けられては、それまでの人生を否定されてしまったようで全くかなわんというお役所/法人関係の人もいるかもしれないが、全くその通り。
 CDをたくさん持っている人に対して、そのCDが人生にどんな意味があると問うてくれるのならまだしも、尋ねてもくれないで、妻は「多すぎるから処分しろ」と言う。私はそれまでの人生を否定されているようなものである。悔しいを通り越して悲しい。

 クラシック音楽に付き合いだして35年を超える。タバコも酒もギャンブルもやらず、そんなことに使う金があったらLPやCDを買うという人間である。一時的に別の方面に寄り道したことはあったが、それでも、LPやCD(と、そしてコンサート)による音楽体験こそが人生の経験の大半であるという生活をしてきた。もちろん、学校にも行った、会社にも勤めている。しかしそれは私にとって人生のほんの一部分でしかない。だから、こんなサイトを作ってあれこれ書いてきたのである。

 皆さんは私がCDやLPを大部屋を占領するほどに持っていると思うかもしれない。実際にはCD約1000枚、LP約600枚というのが概算だ。危険レベルを超えた高さと重さのCD&LPラックがあって、そこに詰め込まれている。これほど入っていると、床の耐久性が心配だ。
 これ以上の量を持つ猛者から見れば、「なんだ、それだけならさほど広いスペースを占有しているとは思えない」と言うだろう。実際にはその通りで、あとは2つの本棚いっぱいに楽譜と音楽関係の書籍がある。あ、畳1枚分のオーディオも。
 家が広いとは言わない。だから、占有面積も気になるだろう。しかし実際には「邪魔だ処分しろ」と言われるだけであって、それが私の何を培ってきたかを無視していることに気付いていないのであるが、そういう細かい配慮には頭が回らないのだろうか。
 当然、音楽のほうが妻よりも付き合いが長い。もしそれらの私の所有物で私自身が人格形成されなかったら、今の妻と結婚していただろうか。実は、出会いすら無かった。それは、はっきり言える。

笑えない話

 本家の書き込みを知らないが、こういった内容のコピペがある。

 夫の(趣味の)持ち物が多すぎるので、妻が強行に、それらを処分するように夫に迫った。最後には夫は妻に折れてそれらを一切合財処分した。その処分の度合いが大変なもので、最後には自分の着替え程度しか残さなかった。子供に優しい夫であったが、妻は夫が知らないうちにどこかへ去ってしまいそうで不安になった。(初出不明)

 この話の重要なポイントは、「男というものの性質をまさに言い当てている」「夫と妻を入れ替えたら成立しない」という点である。このコピペが創作であるか実話であるかなんて、そんなことはどうでもいい。ここでの話はあくまでも一般的な男女についてであると書いておこう。キティちゃんを多量に集めている女性もいることだし。しかし、大半の男には、これがあてはまると考えて間違いない。だから蓮舫さんが仕分けをしているのだろう。

 言い切っていいだろう。物を集めることを趣味とするのは、男の特質である。言うまでもなく、所有するということ自体が、名誉欲、権力欲、金銭欲、知識欲といったことにつながるのであって、それらが社会の進歩を推し進めていく上での原動力なのだと思う。逆に言えば、物を集めない男、何かに固執しない男は、どこかが異常であると思う。
 だからといって、自分の多量に所有しているものをぜひ正当化してくださいとは言わない。しかし、否定されたときの悪影響は、よく考えていただきたいものである。自分でも怖いと思う。だから、前出の話について、私は感心こそすれ全く笑えなかった。私もそれほどのショックがあったら家を去るかもしれない。どこへ行くアテも無くても、あるべきものが失われた場所を私は自分の居場所とは思えない。そこを自分の居場所と思えない男が、どこまで腑抜けになるのか、想像すらできない。

 とりあえず、LPレコードから処分を始めている。さすがにLPレコードをあまり聴かなくなったこともあるし、耳が20KHz以上の音を聞き取れなくなってきたのも確かになったので、音質の良いLPレコードであってもそろそろ無用になりかけてきたのだ。なので、ベートーヴェン以外のものからという限定付きで、売却を始めた。
 チェスキーとか、シェフィールドとか、ファイナルLP(DECCA)とか、最後にはスーパー・アナログレコード(KING)とかを名古屋のEroicaに売り払う予定なので、お好きな方がそれらをもし見かけたら、どうかそいつらの余生に付き合ってやってください。
 しかし、ベートーヴェン関係が90%を超える棚で、ベートーヴェンを手付かずで残すことは出来るのだろうか。CDと重複しているLPを売り始めることにするのか。思案のしどころである。


(2010/11/23)



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