最初の1ページ 各種室内楽 その1
若い頃の管楽器を含む作品は、貴族たちの宴の余興演奏に使われるようなものである。しかし、後の交響曲を生み出すための楽器操作の練習という意味もあっただろう。
七重奏曲 Op.20
上から、クラリネット、ファゴット、ホルン、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス。室内楽でコントラバスが加わるのは珍しい。他では、シューベルトの「ます」くらいしか思いつかない。
古典派の初期の管弦楽は、管楽器がオーボエ+ファゴット+ホルンという組み合わせが多かった。この曲も、普通ならクラリネットではなくオーボエになるところだろうが、クラリネットを使用したのが成功の理由のひとつかなと思ったりする。
弦楽五重奏曲 Op.29
バイオリン×2、ビオラ×2、チェロ。
序奏なし。うねうね動く不思議な主題。個人的には、ビオラ2人よりチェロを2人にしたほうが、低音が増強されて面白いんじゃないかなあと思ったりする。
弦楽五重奏のためのフーガ Op.137
バイオリン×2、ビオラ×2、チェロ。
中途半端と思うが、初めは3小節1単位でフーガが進行していく。しかし、すぐに変であることに気付く。次ページを見てみたが、一筋縄ではいかないクセのあるフーガであることは確かで、不思議な曲である。
ピアノ五重奏曲 Op.16
上から、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、ピアノ。編成はモーツァルトの曲を真似たもの。変ホ長調の主和音をバラして作っただけという冒頭は、簡単明瞭である。
ピアノ四重奏曲 Op.16a
見ればわかるとおり、編曲版だ。上から、バイオリン、ビオラ、チェロ、ピアノ。管楽器よりも弦楽器のほうが、需要が多かったのだろうか。響きは、管楽器のほうがのどかである。
ホルンソナタ Op.17
3小節めの2個の音は、2オクターブも離れているように読めるが、実はホルンのお約束で、実音は1オクターブしか離れていないことになっている。
3、4段めの旋律は、ホルンじゃないように見えるけど、ホルンです。当時のホルンは、現代のホルンと違ってバルブがついていなかったので、これは難しい旋律だっただろう。
(2010/4/3)