最初の1ページ 協奏曲
ピアノ協奏曲第1番 Op.15
フルートは1本のままであるが、クラリネット、トランペット、ティンパニが加わった。いきなりの第1主題。
ピアノ協奏曲第2番 Op.19
クラリネット、トランペット、ティンパニ無し、フルート1本の小型の管弦楽。解説によくあるように、第1番の協奏曲より前に作曲された。
いきなりの第1主題は、聴きなれた人にとってはまさにベートーヴェンの若い頃の作品だねぇと思わせる音の構造をしている。
ピアノ協奏曲第3番 Op.37
フルートが2本になった。弦楽器で静かに鳴るが、短調の印象を強めるため和声がついていない。このテの始まりは、例の、ピアノ三重奏曲Op.1-3を知る人にとっては「また出ましたね」というところ。この曲までは、ピアノの登場は、ひととおり提示部が終わってからになる。
ピアノ協奏曲第4番Op.58
独奏ピアノで始まる。このことは前例が無いわけではないが、大変印象的である。この後、管弦楽の提示が終わるまでピアノは出てこないことは、次の曲と同じ。
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 Op.73
言わずと知れた冒頭部分のカデンツァ。序奏が単なる枕ではなく本題そのものではないかと思わせる、これもまた序奏の究極の形態である。目が覚めるような、というのは、このことであろう。痛快さを求めたいときには欠かせない1曲である。
三重協奏曲 Op.56
フルートは1本。
チェロとコントラバスにより、主題の演奏で始まる。この曲は独奏が3人(ピアノ、バイオリン、チェロ)と華やかになっているが、登場順序はチェロが1番だ。バイオリンやピアノのほうが華やかなので、やや地味なチェロを最初に登場させたのだという考え方があるが、そうすると冒頭が低音弦であるのは、独奏チェロが最初に登場することの布石なのかもしれない。
バイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
フルートは1本。
「英雄」交響曲の序奏では、たった2小節で調と速度の提示などをやってしまったが、この曲では1小節(4拍)で同じ程度の内容を実現した。さすがにティンパニだけでは主題の予兆までは示せない。そのかわりにこの楽章のいたるところにこの音型は現れていて、伴奏に展開にと大活躍。序奏を超えた1小節である。
ということで、この曲の序奏が最短、究極の1小節(4拍)ということになる。もう、これより短い序奏は無いだろうなぁ。
ロマンス ト長調 Op.40
クラリネット、トランペット、ティンパニ無し、フルート1本の小型の管弦楽。協奏曲とは違った短い曲なので、冒頭からバイオリンが登場する。2本の弦を同時に鳴らす手法で、そのまま旋律をやってしまう。
ロマンス ヘ長調 Op.50
ト長調と同様に、こちらも小型の管弦楽。弦1本なら、これくらいの美しい旋律くらいできるぞ、という見本だろうか。
ピアノと管弦楽のためのロンド WoO 6
ピアノ協奏曲第2番の第3楽章は、元はこちらが候補だった。どっちでもええわ〜という感じがする。
(2010/4/12)