最初の1ページ 管弦楽その2
「シュテファン王」序曲 Op.117
ホルン4本。
「アテネの廃墟」序曲 Op.113
ホルン4本。
映画の伴奏のように、不気味な始まりをするのは、ベートーヴェンにしては珍しい。いかにも廃墟。しかし、何か凄い劇が始まるような序奏の出来とは裏腹に、序曲の中身も劇そのものも大したことはない。劇については、もちろんベートーヴェンの責任じゃないんだけどね。
「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
何の変哲も無い序奏その1。これ続く主部は、まあまあ良いと思うが名曲には遠い。
「命名祝日」序曲 Op.115
ホルン4本。
何の変哲も無い序奏その2。
「献堂式」序曲 Op.124
ホルン4本、トロンボーン3本。
何の変哲も無い序奏その3。
この3曲のように、序奏に何の面白みも無い場合には、やはりそれに続く部分も出来が良くないのか、名曲になれない。いや、本体が名曲でないから序奏がたいしたことがないのか。いずれにせよ、名曲は序奏からして一味違うと思う。
ホルン4本、トロンボーン3本を伴うのは、これと、「レオノーレ」第2,3番のみ。(「フィデリオ」序曲は、トロンボーン2本)。交響曲でこのような編成になるのは第9の最終楽章のみであるが、合唱にかなり隠れてしまう。なので、ベートーヴェンとして最大の管弦楽の響きを知る上では、これら序曲3曲は貴重である。
(2010/3/20)