最初の1ページ 弦楽四重奏曲その2
弦楽四重奏曲第7番 Op.59-1「ラズモフスキー第1番」
3曲揃ってのシリーズ作品「ラズモフスキー」。
序奏無しでいきなりチェロが旋律を受け持っていることは珍しいと思う。すぐに第1バイオリンに交替するのは、地味すぎるのを防いでいるためと思う。このページだけ見ても、「ラズモフスキー」のどこがすごいのかわからないが、3曲全体を眺めると、各4楽章の3曲で1群という、階層構造をしている。
弦楽四重奏曲第8番 Op.59-2「ラズモフスキー第2番」
冒頭1小節は序奏のように見えるが、じつは主題の1部。主題のところどころに1小節の休みがあって、不思議な感覚である。
弦楽四重奏曲第9番 Op.59-3「ラズモフスキー第3番」
音を長く伸ばしているだけのような、つまらない序奏だ。一見本当につまらないだけかと勘ぐるが、時間的には勘ぐっている間に序奏が終わってしまう。
チェロが、ファ#からファ、ミ、レド、シラ、ラ♭、ソ、ファ、ミ、ミ♭、レ…と、なだらかにどんどん下がっていき、チェロが出せる最低音ドに達し、さらに(実は音が無いので仕方無く上の)シに下りた、というところ。
最初の小節が「ファ#、ラ、ド、ミ♭」の和音で、最後は「シ、レ、ファ、ラ♭」の和音。つまり4つの音の間隔がそのままで、全体として4度上がったことになる。私には、和声のことはこれ以上はわからないが、何か意味を持っていると思う。ちなみに、「シ、レ、ファ、ラ♭」の次はソナタ形式の主部で「ド、ミ、ソ」だ。けっこうハッとする移りだと思う。
弦楽四重奏曲第10番 Op.74「ハープ」
弦楽四重奏曲では、この曲で初めて内容がいかにもそれらしいという序奏が出現した。前作の序奏がつまらなくて、何も意味ないような、そういうものだったからである。
弦楽四重奏曲第11番 Op.95「セリオーソ」
序奏無し。交響曲第5番のように、全員で主題提示。
(2010/3/20)