最初の1ページ 弦楽四重奏曲その3
弦楽四重奏曲第12番 Op.127
1かたまりめが序奏。この序奏は、もしかしていらないんじゃないかと思ったりするが、第2バイオリン、ビオラ、チェロが音を持続させたままソナタ形式主部に入るので、何か意味があるのだろうなと思うが、わからない。
弦楽四重奏曲第13番 Op.130
2かたまり+1小節半が序奏。続くソナタ形式の主部は、主題が第2バイオリンの2小節で1個という具合。もう、旋律というよりこれは細胞1個のようなもの。細胞1個では、それがどんな動物(植物)のものなのかわからない。
弦楽四重奏曲第14番 Op.131
フーガで始まる。この曲は7つの部分からなっているが、長短取り混ぜていて、しかもあまり切れ目無く演奏される。そのため、第1ページも序奏といえば序奏、違うといえば違う。まあ、書きたい音楽が書けりゃ、序奏かどうかなんてどうでもいいじゃんと思う。したがって、この曲は7楽章が存在するということになっている。7つに分かれていることすら、どうでもいいように思える。そういう曲である。
弦楽四重奏曲第15番 Op.132
事実上最後の作曲。1かたまり+1小節が序奏。何気ない音の並びのようであるが、いろいろな作品で出現したひとつの音型(4個の音)が積み重なって出来ている。思い入れのある音型であろう。
弦楽四重奏曲第16番 Op.135
冒頭3小節半が序奏にあたる。続く主題では、チェロがピチカートで伴奏し、他の3人が主題を少しずつ分担して演奏することで、つないで1つの旋律が出来上がるようになっている。遊んでいるといえば遊んでいるように見える。
弦楽四重奏曲 Op.133「大フーガ」
2かたまりと、次の6小節が序奏。見ると、弦楽四重奏曲第15番の冒頭の音型と同じものがたくさんあることがわかる。3かたまりめにあるフーガの主題も同じだ。しかし、この「大フーガ」は、弦楽四重奏曲第15番から分離独立したものではなくて、弦楽四重奏曲第13番の最終楽章が新しく置き換わったので、かわりに追い出されたものなのだ。大混乱してしまう。
(2010/3/20)