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安物の中華真空管ヘッドホンアンプ



安物の中国製の真空管アンプを買った。さっそくいろいろ書いてみたい。

製品名が、そもそもよくわからない。フロントパネルには、"DING SHINE"、"TO2"とある。ブランド名と型名かな?
この製品は販売中(2019年9月現在)。胆汁って何のことだろう。
このアンプにはスピーカー端子は無く、ライン・アウトも無い。そう、ヘッドホンしか相手にしていないというところに、とりあえず注意したい。
電源は12V、2A程度あればよい。ACアダプタは別売り。

まず、今回買ったもの(画像も借用である)の中はどうなっているのか。
真空管は、左右で2個、オペアンプが3個、右上がボリューム、右中がヘッドホン端子。
左上がRCAライン端子、左中に、ライン入力切替スイッチと、3.5mmライン端子、左下が電源。
A,Cが空いているのは後述する。
なぜオペアンプが3個もあるのだろう。


比較のために、別の真空管アンプの画像を借用したい。これはFX-AUDIO- TUBE-02J。この内部を公式のサイトから借りて載せる。なぜこれにしたかというと…

一見してわかるように、基本は同じ回路である。それもあって、この2つの製品の正面も背面も、ほぼ同じである。話を内部に戻して、違いを示すとFX-AUDIO-から変化しているのは…

A 入力カップリングコンデンサが無い
B 入力切替スイッチのすぐ裏に、コンデンサがある。
C ゲイン切替スイッチが無い
D 電源昇圧回路が、小さなトランスになっている。また、コモンモードのノイズフィルター用コイルが無い。
E 電源のデカップリングコンデンサの組み合わせが違う。
F 謎のコンデンサがある。
G 2個のオペアンプが3個になっている。
他にも、
・電源アクティブフィルタが無い。
など、細かい違いがあるが、回路のレイアウトや基本的な機能は同じである。つまり、FX-AUDIO- TUBE-02Jを劣化させた製品なのだ。

まあ私は、「オペアンプによる据え置き型の安価なヘッドホンアンプ」を求めていたので、目的にぴったりだったのです。

オペアンプは3個。これを、1個ずつ取り外して、どのように音が出るのかを調べる。その結果は、

御覧のように、左右のチャンネルに各1個、そして両チャンネルの回路になっている1個。
オペアンプは増幅のおそらく半分程度を担っている。2本の真空管をとりはずしても音は出るが音量が少ない。真空管も増幅しているが、本来の機能は真空管特有のノイズを追加することらしい。おそらく、入力された信号は2つに分かれ、一方は真空管で増幅され、もう一方は2個のオペアンプ(「左」「右」)で増幅され、「両」のオペアンプで合成されるのだ。このあたりの流れは推測であるが、当たっていると思う。

おっと、肝心の音であるが、真空管があるからといって、さほど変わるわけではない。真空管はたしかに増幅の一部を担っているが、全てではないからだ。よく考えたら電源が貧弱な、小さなアンプである。もともと多くを期待してはいけないのだ。

で、最後の感想として。オペアンプを交換するには、真空管をはずす必要がある。しかし、真空管のような部品は頻繁に取り替えるものではない。オペアンプを頻繁に取り換えるのは非常に面倒である。あたりまえであった。

 (2019.9.21)



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