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2005年07月29日
愛は愛のままがいい?
コンピュータもハードの話をすると回路が絡んでくる。 回路理論の世界では複素数 i を j と書く。 i は電流として定着しているためである。 しかし、数学としては当然複素数は i であり、ハードに絡まないソフトとかコンピュータの理論の話では混同の恐れがないから i と表示される。
ハードでは j (ジェー)だけどソフトでは i (愛)という。 同じ複素数でも表示が違う。 j だと音の響きも悪いしJRという悪いイメージもある。 JapanよりNipponのほうがいいようにJは好まれない。
i (愛)は i (愛)のままがいい。
一方、数学を工学の学生に教えるのは昔より難しくなった。 HowだけではダメでWhyも同時に言って必然性も強調しないといけない。 昔は(そのうちWhyもわかるようになるからぐらいで)How中心でもよかった。 最近の学生さんには通用しない。
「i の3乗根を求めよ」なんていう問題を数学の先生はどういう風にWhyを説明するのだろう。 回路理論でも「 i の3乗根」までは必要ない。 何乗というのはしょっちゅう出てくるが、 i そのものの何乗根はいらない。
数学的には興味深い、として将来理論屋になるかもしれない学生さんにはいい、が最近はそういう学生さんも少なくなった。 せちがらい世相かも知れない。
投稿者 tadashi : 2005年07月29日 10:11