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2006年12月13日
フィンランド余話
コホーネンさんとは、10年くらいまえの大阪の千里阪急ホテルでのニューラルネット・セミナーで会った。 主催者からホテルレストランでの昼食の招待があり、ほかの講演者数人も一緒だった。 MBR(記憶に基づく推論)を超並列マシンにインプリしていたウォルツさんもいた。 この会合以降は、お会いしていない。 コホーネンさんはフィンランド工科大学でのこのグループの創始者であるが、もちろん世界的にも有名な方である。 もっとも、同年代のこの分野のリーダーには、アメリカにARTで知られるグロスバーグさんがいて、2人は仲が悪かった。
2人の出身母体がヨーロッパとアメリカという違いもあり、80-90年代のニューラルの分野では、欧米対立(?)があった。 そのため、当時はニューラルネットの大きな国際会議が2つに分裂していた。 今や、お二人とも引退されたし、この分野自体がしぼんでいるから、話題にもならない。
コホーネンのお弟子さんのエルッキ・オヤさんは、やはり90年代初めに広島へお迎えしたことがあり、大学での講演以外に宮島にもおつきあいした。 また、去年のベルギーの国際会議で私がチェアーをしたセッションに、フィンランド工科大学のニューラルネット・グループの若い人がいた。 彼は、「オヤさんはヘッドで活躍している。しかし、研究環境は厳しい。」と言っていた。
研究分野も、栄枯盛衰の世界そのもの、である。
投稿者 tadashi : 2006年12月13日 03:44