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2011年08月08日
未来予測の難しさ
未来予測のうち、当たり前の予測は簡単である。 これは「明日は今日と同じ」とか「月曜日だから大体こうなる」というものから、経済成長がX%とすると「およそこのくらいの経済になる」という類である。 優等生的なのは、統計予測が基本になっている。 たとえば、人間の身長の成長モデルを使って、幼少時の記録から成人になったときの身長はほぼ予測できる。
解決すべき問題は「ふつうでない事態」をどう予測するか、である。 中東のカオスの状態を予測するようなものである。 しばらく前に流行ったのはカオスの方程式だけど、これが曲者で、パラメータの設定が難しい。 カオスを生じる「パラメータを予測する問題」は、カオスそのものを予測するのと同程度に難しい。
方程式が複雑になるから、「コンピュータ」が必要になる。 だから、「コンピューティング予測システム」はもっともらしい研究テーマになる。 1997年にDuBoisさんが提唱して、Computing Anticipatory SYStems(略称CASYS)という国際会議が発足した。、毎年開かれていたが、2000年代のいつからか2年に1回の開催になった。 毎回出席しているが、内容の進歩も少なくなってきた、と感じている。 なんせ「問題は難しすぎる」のである。 今日から始まる今年のプログラムも見たが、従来と比べトーンダウンしている。 私が行かないだけでなく、発表者もこれまでより少なくなっている。
この未来予測の国際会議を「未来予測」するのは簡単である。 「インパクトのある研究」が登場しないと、「国際会議自体はしぼんでしまう」という悲観的な予測になってしまう。
投稿者 tadashi : 2011年08月08日 06:38