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2012年05月22日

富士通テン神戸工場

関西ではパナソニックやシャープの影に隠れて目立たないが、神戸では電気製品メーカーのひとつである富士通テンの神戸工場は5月末で閉鎖される。 神戸工場の生産機能は栃木県小山市や中国・江蘇省に移管されるようだ。 研究所としては残るらしいが、これも時の流れだろう。

前身の神戸工業の思い出は、これまでも書いてきた(続きに再掲)。

   
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(2011.5.18) TEN 〜神戸工業のこと〜

昨日暑い夏の仕事場を書いたが、1963年の夏のことで場所は大久保(兵庫県明石市)、会社は神戸工業。 TENの商標で真空管やラジオを売っていたが、兵庫工場(神戸市兵庫区)では半導体もやっていた。 小5でラジオ少年になってたので、TENについてはよく知ってたが、松下やシャープに比べて知名度は低い会社だった。 しかし、工場実習で神戸の実家から通うのには都合がよかった。

大久保の無線技術部に3週間通ったが、工場といっても大量生産の現場でなく、開発部みたいなところだった。 TENは変な会社で、部長(課長兼任)は学位を持ってたNさんで、私の実家の数軒先に住んでいた。 Nさんは通信学会の関西支部の評議員だったし、無線機の設計担当の中にも学位を持ってる I さんがいた。 I さんは、のちに福井大学工学部の教授になった。 江崎さんは、神戸工業での仕事でノーベル賞をとった、という話もしていた。 また、研究所ではない現場で 「学位がとれる」という会社は珍しかった。 独立した研究所のある大会社ではなかったからである。

技術を誇った会社ゆえに、経営は行き詰まり倒産した。 富士通の傘下に入り、兵庫工場は富士通テン、大久保工場は富士通明石工場になった。 富士通テンの「テン」が、神戸工業時代の商標の名残りである。 富士通明石工場は、NHKの「プロジェクトX」で篠田さん(広大卒)がとりあげられたときの工場で、Nさんが当時の部長としてTVに登場された。

工場実習で書いた報告書については、ここでは省略。

投稿者 tadashi : 2012年05月22日 07:06

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