発責 大館市東台6-5-83  鷲谷豊

   北羽歴史研究会 会報 NO.211 2009(H21)年5月1日

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 5月、古文書学習会を開催します。  

21日()古文書学習会開催13:1015:30 於大舘市中央公民館

                  

テキスト1、「先祖の次第」中田郷左衛門の文書       

   2、元禄十二年「和田藤右衛門」の文書    

   3、「覚」和田掃部之助の文書

                           講師・千葉克一

(中田氏系図、和田氏系図の一部をテキスト参考とします)

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■              

 第47回実地研修会、テーマ・米代川流域舟運と檜山城史跡能代日和山公園等は、4月

23日に概ね無事終了しました。参加17名。会報での行程予定のほかの立寄地もあり当日

配布資料など一部紹介します。/ 馬屋沢・務沢館跡〜戊辰戦8/28佐竹大和隊の進撃路。/

繋舟場〜荷上場舟場から一里は無いのですが川流れの難所につき「一里渡り舟場」という。

/ 切石の塩井と宝篋印塔と庚申塚〜菅江真澄「みかべのよろい」に、「切石のやかたになり

て潮の井のありける」とある。伝承によれば、昔切石を訪れた修験者が、宿を与えてくれ

た御礼に掘ってくれたものだという。塩の欠乏しがちなこの里の人たちにとって貴重な井

戸であった。現在もその井戸あり。〜「なめてみたらやはりショッパかった」と貝森さん

のお話。近くに安永九年建立の立派な宝篋印塔、町端れに古街道址を示す庚申塚あり。/

形・海蔵寺〜安東氏に滅ぼされ逃げ込んだ浅利氏家臣を最後まで守り通したとの伝承あり

と。満開の紅桜が印象的。/ 能代・八幡神社〜夷社住吉社竜神社もあり、竜神社は秋田戊

辰戦の前に沢為量大山格之助桂太郎らが能代の勤皇派と密談した場所。大型バスが八幡神

社入口道路をふさいでいたので時間都合もあり検分は断念。/ 能代・萩の台墓地〜戊辰戦

死者墓碑を参拝。滝田喜蔵・吉田順吉・川崎倉之助・浜名東吉(8/20薬師森戦)、越山兵治

8/18十二所口)。/ 檜山神社〜境内に樹齢一千年余の大杉あり市文化財指定という。/

山・多宝院〜多賀谷氏の菩提所。現在の本堂、山門、鐘楼は237年前の建造で県文化財指

定となっている。本堂の奥に小型の多賀谷重経坐像が安置されていた。ギュウギュウと鳴る本

堂廊下はうぐいす張りという。ここの境内の紅桜も結構でした。/// 能代公園の桜もほぼ満

開でした。シートをひろげて昼食とはならず残念でしたがまあまあという事。以上 謝々。

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  催事情報 

1) 能代市史講座の開催 主催・能代市史編纂委員室tel-0185-89-2119

        テーマ1・遺跡にみる能代の中世 2・中世仏教の浸透。516日於能代中央

 公民館、530日於二ツ井公民館。両会場のテーマと時間13:0016:00 は同じ。

2)09年歴史フオーラム 主催秋田歴研協 於秋田市〜あきた文学資料館

    530日(土)午後1時〜4時、テーマ・歴史資料の保存について

 提起 @由利本荘地域研究会の取組み〜佐藤俊介 A秋田市史編纂と森川源三郎資料〜

 菅原忠、B横手市史編纂と資料保存〜高本明博。コーデネーター半田和彦。」(北からの参加期待)

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■ 山田之八景                 丸屋 悧                                      

田代町の知人から「山田のことを毛筆で書いた書があるが、崩した文字がおおくて

読めないので解読してもらえないか」という電話があった。私は頼まれれば嫌と言え

ぬタチで、自信がないが引き受けてしまった。この何年来鷲谷会長さん、千葉副会長

さんから古文書学習会で懇篤なご指導を頂いてきたので、この際挑戦してみようかと

いう気持も少しはあった。手元の『田代町史』などで解読の手掛りがあるとも思った。

数日後デジカメで撮った写真をコピーしたものが届いた。電話では短歌とのことだっ

たので、一首が二首だろうと思っていたが、『山田之八景』という題で八首あった。

最終的に何箇所かは近所で書道教室を開いておられる渡辺泰軒先生のご指導を仰ぐ

仕儀となった。

一 戸の瀬之朝暾(ちょうとん)

     横雲の晴る方より影さして 戸の瀬の山の朝景色かな

二 田代の暮雪

     里山はやゝ薄暗くなりたれど 田代の峰は雪の白砂

三 茂屋の肩

     白雲のかかる朝(あした)は来ても見よ 富士にも紛ごう茂屋の片袖

四 柴山の孤松

     柴刈に残し置きたるひとつ松 山田に誇る千代の色にて

五 八幡の老松

     神寂(かみさび)て立てるを見れば八幡山 庭の老松幾世経ぬらん

六 洞雲寺之古塔

     山寺の庭にそびえてのちの世に 徳法を語るこれのあらよき

七 月山之秋の月

     月山の月の光を眺むれば 昔の秋ぞ偲ばれにける

八 薬師之古丘

     朝もやの晴るゝ方より現れて 薬師の杜のあさみどりかな

                       (註 かっこ内は丸屋が加筆)

 その土地の名勝を、歌や句に詠み込んだ何々八景というのは各地にあり、大舘に

も宗福寺二十世光丘泰謙住職が選定した『大舘八景』、その後の「館城新八景』があ

ると『大舘市史』に見える。しかし集落を対象とした八景は珍しいのではないかと

思う。この山田八景は洞雲寺二十八世雲嶽健龍住職の選定だようである。同師はの

ち玉林寺二十四世住職に転住された。この八景は山田の歴史と文化の長さ深さが感

じられる。                           終 

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■ 当元会員虻川貞二さんが、療養中のところ411日にご逝去されました。

十数年以上の長い年月を会員、幹事としてもご協力を頂きました。深く感謝申し

上げるとともに、心より哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申しあげます。

■ 5月に至る。やっと岩神貯水池の桜も色々咲き出した。種類多岐バラバラに咲く。

圧倒感は無いが風情あり。花芽の堅い4月下旬、観光バス来訪の方々お気の毒でした。w

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