ホーム> フェルメールと巨匠たち>ヘラルト・テル・ボルフ(1)>(2)>(3)>(4)
この絵もアムステルダム国立美術館にあります。
この絵は、売春宿でのものらしいです。真ん中のグラスでワインを飲んでいるおばあさんが、女将で、後ろ向きに立っている奇麗な身なりの女性が売春婦、そして話しかけている人物(兵士)は、客というのが一般的な解釈です。
この横柄に足をくんでる兵士は、娘になにを言っているのでしょうか?娘の顔が見えないため、よくわかりません。兵士が連れ戻しに来た兄か、父という解釈もできなくないです。
兵士の脇に描かれているのは、犬で快楽のシンボルとされています。
<父親の戒め>として知られる<意味ありげな会話> |
この絵は、1654年頃に、画布に描かれていて、大きさは縦71.0cm×横73.0cmです。この絵は観た記憶はあるのですが、それ程感銘は受けませんでした。帰国後、アムステルダム美術館の本を丹念に見直していて、テル・ボルフの作品であることに気づきました。
私が思うに、この絵は、フェルメールの『取り持ち女』・『兵士と笑う女』・『眠る女』などの作品に何らかの影響を及ぼしたのではないかと考えてます。『フェルメール』の風俗画としての初期(1655年〜1660年)の作品には、犬を描いて消したりしています。親交のあったテル・ボルフの作品は、何らかの影響を受けたものと思います。
テル・ボルフは、割と色々な国を廻り、肖像画としても素晴らしい絵を描いていますが、やはり『喜ばれざる招聘』など、微妙な人間関係のあやを題材としたものが、特に素晴らしいと思います。
このページで、ヘラルト・テル・ボルフは、終わりたいと思います。
(2002年9月21日作成)