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(2002/8/13) 第二十一話:「学校が始まるの巻」 この秋に北京に行く友人がいます。 同じ思いやしんどい思いをこれからするのだろうと思うと、心から応援したい気持です。 何より、それぞれに与えられている短い期間をできるかぎりがんばってほしいのと、音楽は一生のことだから焦る必要はないことを伝えたいと思います。 他にも留学を目指す方が全国にいらっしゃるでしょうが、体調に気をつけてがんばってほしいと思います。 さて、いつ学校が始まるか、なんのインフォメーションもなく、何度も教務課に行き、右往左往しながら、入学手続きを済ませました。 若い新大学生にまじって、もみ合いながら、並んでいました。 やっと自分の番になったかと思うと、「あなた留学生ね。ここじゃなくて、あそこのデスクで手続きして」 とそっけなく言われて、すごすごと並び直します。 ところがデスクには人が居ず、待つこと30分。 同じ留学生のインドネシアのFちゃんと日本人の音楽学を学びに来ているMさんと待ちくたびれ、穏和なFちゃんが切れそうになる場面がありながら、入学金を納め、学生証をもらいました。留学生は特別だからと待たされることが常で、イライラし、疲れ切っていました。 中国で切れることは大事です。待たされるというより無視されるようなことが多いので(最近はましかも)。 できれば、疲れるので切れたくはないのですが、上手に主張するということがとっても大事なのですね。 学生課から、民楽科の事務室へ、それから、教務課で履修科目の登録、それから、琴房楼(練習棟)の登録手続き、それから、図書館の手続き、それも、本の図書館と楽譜の図書館と、テープの図書館と、雑誌や論文の図書館と、すべてに登録料を払い、たらい回しにあい、取りあえずは手続きを完了したわけです。 これで、一通り、自分が使用するであろう施設を回ったわけです。 パンフレットに掲載されている授業料は学校への登録料のようなもので、後のいろんな施設の使用に際して、更にお金がかかります。 日本の音楽大学でも通常の大学に比べて、施設費のこともあるのでしょうが、授業料は高いです。 中国では、音大は授業料は高い上に、使用料が高いというので、留学を目指す皆さん、お金は貯めておく ことをおすすめします。 以上は97年当時の事情で、今では、留学生を統括している所で、手続きできるらしいですので、こんな恐ろしいことにはならないのではないかしら? ちなみに、Z老師のすすめにより、視唱練耳(いわゆる聴音とソルフェージュ)と楽理(楽典)を聴講することにしました。 聴講生はこの時点では2科目しか聴講できませんでした。お金を余分に払えば、追加で聴講できたんですけどね。最近の事情はどうなんでしょう?? Z老師の考えでは、音楽の基本的なこれらのことは、音楽の共通語を学ぶことのようなもので、しっかりとした音楽の理解と耳を鍛えることが重要だということでした。 外国人は、帰国後、ほとんどが五線譜の習慣があることから、他のミュージシャンと会話を成立できるようになるのに必要だとも言われていました。もっともなことです。 私自身、幼少時に弦楽器をしており、楽典、ソルフェージュなども経験したこともありましたが、やはり苦痛でありました。楽理の用語が全部中国語だったからです。 その上、聴音では、ある悲惨なことが起こるのです。それはまた、後にお話します。 |
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