歌 舞 伎
− 観 劇 記 -

平成13年

11月:良弁杉由来、茨木、新口村、供 奴

12月:傾城反魂香、妹背山婦女庭訓


平成13年11月 歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記
良弁杉由来
(ろうべんすぎのゆらい)
  志賀の里より
  二月堂まで
渚の方
     鴈治郎
船人清兵衛
     正之助
良弁大僧正
     菊五郎

  初めての歌舞伎観劇であった。絢爛豪華な舞台と役者の大見得が見たかった。
  第一回目は、ご存知高僧良弁が、幼い時、鷲にさらわれて、探しに来た老母(渚の方)との対面までの物語である。初お目見得の虎之介(扇雀の長男)が可愛かった。

茨木
(いばらき)
  河竹黙阿弥作
茨木童子
     芝  翫
渡辺源次綱
    富十郎

  渡辺綱が羅生門で鬼の片腕を切った話の後日談である。鬼(茨木童子)が伯母の姿に化け、その腕を取り返しにくる話しだ。
  鬼が正体を現す場面は秀越であった。

新口村
(にのくちむら)
忠兵衛
    仁左衛門
傾城梅川
     孝太郎

  封印切りの滞在を犯し、雪の降りしきる大和新口村に逃げてきた忠兵衛と梅川の二人の逃避行。孝太郎の梅川は惚れ惚れした。
  また雪景色の子役を配しての遠近感の演出は見事であった。

供 奴
(ともやっこ)
奴辰平
    辰之助

  主人のお供をして、郭に来た奴さんの賑やかな曲の中での踊りは楽しかった。辰之助(現在の4代目松録)の面目躍如ってところである。



平成13年12月 歌舞伎座
演 目 役 者 観 劇 記
傾城反魂香
(けいせいはんごんこう)
 土佐将監閑居の場

 近松門左衛門 作
浮世又平
     猿之助
女房おとく
     勘九郎
土佐将監
     又五郎

  師匠の将監は、吃音の絵師浮世又平が土佐の苗字を名乗ることを許可しないため、妻おとくと供に、死を覚悟して、手水鉢(ちょうずばち)に絵を描くと・・
  流石に近松ものは良く出来ている感じがした。猿之助、勘九郎が見事であった。

 
妹背山婦女庭訓
(いもせやまおんなていきん)

  道行恋苧環
   三笠山御殿

  近松半二 作
お三輪
    玉三郎
入鹿妹橘姫
    福   助
烏帽子折求女
     勘九郎
曽我入鹿
     段四郎
 
  村娘のお三輪が愛しい求女を追って来て、そこで見たものは曽我入鹿の妹の橘姫と睦みあっていた。後を付けて行くと、そこは曽我入鹿が酒宴をしている所で、求女は実は入鹿を討ちに来た藤原鎌足の弟であったという話。
   お三輪が、御殿の官女達に散々なぶられる姿は、サディストでは無いが見応えがあった。それにしても、玉三郎のお三輪は本物の女以上に女らしい。



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