ライブスチームの運転


743. つくで高原模型鉄道倶楽部 令和5年6月 定例運転会 (その4)  (R5.8.30掲載)

 (その3の続きです)
DB 93000
DB 93000の運転室です。 どんな機器があるのでしょうか。ワクワクします。


運転室の各機器を見ていきます。


運転室の左側から見ていきます。
 @ : 逆転機
      
      テコ式逆転機です。前進は1歯、後進も1歯のようです。どちらもフルギアでしょうか。


 A : 水面計
      
      水面計です。とても重要な機器で、火を入れたら常に注視します。


 B : 汽笛弁(ホイッスルバルブ)
      
      汽笛弁(ホイッスルバルブ)です。では、汽笛はどこにあるのでしょうか?。 撮影した画像を全てチェックしたのですが、見あたらなくて・・・。


 C : 加減弁ハンドル
      
      加減弁ハンドルです。丸みがあって、手に優しそうです。


 D : 焚口戸
      
      焚口戸です。上から下に開きます。


次に運転室の右側を見ていきます。
 E : 通風弁(ブロアーバルブ)
      
      通風弁(ブロアーバルブ)です。 739.OS製 3.5インチゲージ クラウスの修理 (その4)(R5.8.16掲載)において、 ”走行中もブロアーバルブを少し開けておいた方が調子がいいと私が思う機関車として(中略) 動輪舎製5インチゲージC12・C56などです。”と、記載したところ、 ご覧いただいた倶楽部のメンバーの方から、次の通りメールをいただきました。

「動輪舎製のC56やC12では、無煙炭でも開けなくてもなんら問題はないです。
 動輪舎製C56、C12、C58は同じシリンダー(注1)を使っています。 C56とC12は同じボイラーで狭火室ですが、C58は広火室です。 C56とC12の動輪径は同じで、C58の動輪径はC56やC12より大きい事により、 同じ様な速度で運転していますので、動輪径が大きい機関車は通風が、動輪径が小さい機関車より悪くなり、 それに加えC58は広火室なので、より通風が弱くなります。

  この様な事から、C56やC12は通風は良いので、ブロアーバルブを少し開けておく必要はないのです。 それは、煙突から排気される時のブラスト音でも分かります。 C56やC12はブラスト音が良いですが、C58の場合は蒸気膨張室があるので、ブラスト音が良い音がしませんし、 通風も平均化されるので、より弱くなります。 なので、C56やC12は問題なくても、C58で無煙炭を使用した場合は、 走行中もブロアーバルブを少し開けておく必要性が生じます。

  しかしながら貨車や客車を付けて負荷を大きくした場合は、加減弁をより開きますので、 通風も良くなりますので、牽引条件によって変わります。 私の場合、白馬での営業コースでは、一旦停止してポイントを替えるヶ所があるため、ブロアーを閉めて走行していて、 停車寸前にブロアーを開くのが面倒なので停車時に焚き口から煙が出ないぐらいにブロアーバルブを僅かに開けて走っているだけです。

このような事から、ボイラーの構造の煙管、火室、灰箱(空気取り入れ口)等々によって変わりますが、 動輪径が小さいのは、動輪径が大きいのより通風が良い。 広火室より狭火室のほうが通風が良い。 蒸気膨張室が無い機関車のほうが通風が良い。 通風が良いと、ブロアーバルブを開け無くても良く燃えますので・・・。 8620でも、狭火室なので、ブロアーバルブを開け無くても走れるんじゃないかと思います。」


とのことです。メール、ありがとうございました。 教えていただいたことを踏まえると、ブロアーバルブ開閉のファクターは次の通りでしょうか。
 〇動輪径の大小
 〇広火室←→狭火室
 〇蒸気膨張室の有無
 〇牽引条件(牽引重量、軸受など)
 〇使用燃料(木炭、オガ炭、有煙炭、無煙炭)
 〇線路条件(勾配、曲線/直線など)
 〇走行速度
 〇ボイラーの構造(煙管、火室、灰箱(空気取り入れ口)等々)

 ブロアーバルブは燃料の燃焼に密接に関わる機器です。 開き過ぎると、せっかく作った蒸気を無駄にしたり、不必要に燃料を燃焼させてしまいます(注2)。 一方、開き足りないと、燃料が活発に燃焼せず、必要な蒸気を供給できません。 また、同じ開き具合いであっても、ボイラー蒸気圧によって、通風の効き具合いが変わってきます。 蒸気圧が高いほどよく効き、蒸気圧が低いほど効きが弱くなります。 また、蒸気圧が低いときに通風をよくしようと、さらに開くと、蒸気の発生量より、ブロアーによる使用量が多くなってしまい、 ますますボイラー蒸気圧が下がってしまうことがあります。
 自分一人が乗車して平坦な線路を走行する場合に比べ、機関車の性能いっぱいにお客さまが乗車され、 勾配のあるレイアウト(クロスランドおやべの常設コースや白馬のトンネルコースなど)を走行する場合の方が シビアな運転操作を要求されることになると思います。 投炭や給水などの操作のほか、ブロアーバルブの開閉操作もその一つだと思います。
 (注1)エンジンが同じの意味ではなく、ボアとストロークが同じの意味。
 (注2)安全弁から盛んに蒸気が噴出しているにも関わらず、ブロアーバルブを必要以上に開けて燃焼をあおるのは良くなく、 火格子が鋳物だと溶けてしまうことがあります。(R5.9.19追記)


 F : 圧力計
      
      圧力計です。水面計と共に、火を入れたら常に注視する重要な機器です。 大きくて見易く、好ましいです。


 運転室の各機器を見てきましたが、シリンダードレンコックレバーハンドルが確認できませんでした。 次回、よく見てきます。

(その3へ戻ります)   (その5に続きます)  


トップページへ戻る