ホーム>フェルメールと巨匠たち>ゴッホ(1)>(2)>(3)
私は、ゴッホの一番の大作は、この『星月夜』と思います。サン・レミの精神病院に入院中に作製したものです。左下の黒い炎のように燃え上がっているのは、南フランス特有の糸杉です。私が、ホームページを作る時に買ったゴッホの本の表紙にも描かれてます(表紙画(糸杉のある道))。ゴッホは、自分では観たままを描いているわけですから、その時の精神状態が、そのまま絵にあらわれます。糸杉が燃える炎のように、彼の目の前にあるのです。背景の月や星も、黄色い輪を伴っています。光輝くというのを、このような形であらわしてます。ただ、夜一時的に、このように見えることは、ありませんか?私は、見にくい時に、時々光が流れてこのように見えることがあります。
ただ、この絵に辛さと温もりを感じませんか?夜道を照らす月・星は、心のともし火ではないでしょうか?
この絵は、1889年の6月の制作で、縦73.7cm×横92.1cmで、キャンパスに描かれた、油絵です。今、ニューヨークの近代美術館にあります。今度、ニューヨークに行った時に、観にいこうと思ってます。
ゴッホは、生前にこの絵かわからないのですが、糸杉の絵を、同時代の批評家アルベール・オーリエに送ろうとしました。アルベール・オーリエは、ゴッホの絵の中に、「ひとつの思想、一つの理念がある」と最初の言った人です。それに、答えたかったために、ゴッホは絵を贈ろうとしたわけです。ゴッホの絵は、ある面では「叫び」の絵かもしれません。
星月夜 |
ゴッホは、狂気になることで、傑作を残しました。逆にフェルメールは、精神的に辛い立場に置かれた時に、停滞期に入りました。その面では、全く逆だったと思います。
次のページでは、私が好きな、ゴッホのニ作品について、述べたいと思います。
(2002年9月8日作成)