Sweet Sweet Nights


「み、南、やっ」
うろたえた声が響いた。
「そんなとこ舐めなくていい!」
「いやですか?」
「い、嫌じゃないけど…」
ここからは見えない羽鳥さんの顔が、真っ赤になっているだろうことが手に取るようにわかる。
 発端は俺のわがまま。いつも自分を受け入れてくれている場所を見てみたくて、嫌がる羽鳥さんにお願いして、明かりをつけたまま四つん這いになってもらったのだ。
 初めて見た羽鳥さんのそこは、きゅっと詰まってる感じがして、俺のものどころか指だって入りそうになかった。もっとよく見ようと顔を近づけてみたら、ひくっと動いて───たぶん、恥ずかしかったんだと思うけど───、誘われるように舌を出してしまった。冒頭のやりとりは、その時のものというわけ。
「あっ……、は、あ…」
羽鳥さんは顔ばかりでなく全身を紅潮させ、ふるえていた。その姿が可愛くてたまらない。最初はちょっと遠慮していたけど、乱れていく羽鳥さんの息にだんだん夢中になって、憑かれたようにくぼみとその周囲を舐めまわした。そのうち、羽鳥さんのものが固くそりかえってきて、先走りが糸をひくようになった。
「だめ……」
肘を支えていられなくなったらしい羽鳥さんは、ベッドに顔を突っ伏してしまった。背をそらし、腰だけ高く上げて蕾をひくつかせている姿は目眩がするほどいやらしくて、ますます俺を煽る。
 十分すぎるほど羽鳥さんを味わった俺は、舌を離すと、指での刺激に変更した。
「あ……っ…!」
さんざん舐めあげた後孔はすっかりやわらかくなっていて、するりと指を受け入れた。脱力していた体がまた固くなる。
「ああっ……はあ…」
指を一旦引き抜いて、こぼれ落ちる羽鳥さんのしずくで濡らし、二本に増やした。ぐちゅぐちゅ、わざと音をたててかきまぜると、揺れる先端から快感の証がしたたる。
「っ、あ!」
指を三本に増やして、羽鳥さんが我を忘れる場所をえぐった。体がびくり、とひときわ大きく跳ねて、小刻みにふるえだす。
「…や、いや……みなみ…、みな、み…ぃ…」
聞くだけで達してしまいそうな声が、俺を呼ぶ。甘く痛いその声に酔った俺は、馬鹿みたいにひたすらそこを刺激しつづけた。
「っ、…みなみ……」
 やがて羽鳥さんは、ものすごく恥ずかしそうに、言った。
「……入れて………」
小さな小さな声だったけど、初めて聞く羽鳥さんの「おねだり」に舞い上がってしまった俺は、奥まで飲み込ませていた指を引き抜くと、はちきれそうになっていた自分の高ぶりで一気に貫いた。
「あ………ああーっ!」
ひときわ大きな声が響き、羽鳥さんの先端からあふれるように白い液体がこぼれた。
「…っ……ぁっ…! あぁ…!」
きゅうんと締めつける内部をこじ開けるように出し入れすると、体中がびくびく反応する。俺の動きに押し出されるように、残りのミルクがこぼれおちた。
「……あ、もうっ…!」
熱いひだに心地よく締めつけられて、ついに俺も羽鳥さんの中にほとばしらせた。

 終わってからも、シャワーを浴びた後も、羽鳥さんは俺の方を見ず、口もきいてくれなかった。
「羽鳥さん?」
不安になって、さっさと横になっていた羽鳥さんを覗き込んだら、ぱっと頬を赤らめて、上掛けで顔を隠してしまった。それがもう可愛くて可愛くて、ふとんの中にもぐりこむと、背中をそうっと抱きしめて、目をつぶった。
 明日は二人でゆっくり過ごそう。朝寝坊して、のんびり起きて、おいしいご飯を食べに行こうね。
 いじめてしまってごめんなさい。大好きだよ、羽鳥さん。
 おやすみなさい。


−終−