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室内画展の作品の感想(5)

 今回の『フェルメールと室内画展』の中で、一番沢山の作品が来たのは、当然フェルメールで、9作品です。そして、それに次ぐ、7作品が展示されたのが、Gabriel Metsu(1629〜1667年)ハプリエル・メツーです。その力量は、18・19世紀から高く評価されていました(⇒フェルメールとその時代・152ページ)。私も、今回の展示で、フェルメール作品以外に、ぞっとするほど、奇麗な作品を観ることができました。それは、下記のハプリエル・メツーの2作品です。


手紙を書く紳士

A Gentleman Writing a Letter

アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵


52.5×40.2cm・油絵・板
1662〜1665年制作

ハプリエル・メツーの『手紙を書く紳士』


 この絵の男性ほど、奇麗で可憐な、男性の絵を今までに観たことがありません。実に可憐です。貴公子といえるでしょう。筆ペンを持つ右手と、紙を押さえる左手、その描写の描き方が、実に素晴らしい。一点のくもりもない紳士が描かれてます。また、この画中画に描かれたものは、旅をする人たちの風景でしょうか?気になります。

手紙を読む婦人
A Lady Reading a Letter


アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵

52.5×40.2cm・油絵・板
1662〜1665年制作


ハプリエル・メツーの『手紙を読む婦人』


 この絵は、フェルメールの『恋文』と共通事項がある作品と言われています(⇒フェルメール・110ページ)。

 女主人が、手紙を読んでいる間、召使いは、内容を見ないように、カーテンに隠れた絵を観ています。画中画には、荒波の間を航海する船が描かれ、この恋の行く手の困難を物語っているようです。召使いが、左手に持った手紙が気になります。


 二作品は、同じ時期に、同じ大きさで作製されていることから、女性の相手は、上の男性でしょうか?


 この二作品は、第三室のフェルメールの『窓辺で手紙を読む女性』のとなりに、並べて置かれていました。フェルメールと並べられても、遜色なかったですね。沢山の人が集まって、見つめてました。今回の展示では、メツーの作品として名高い、『育児室への訪問』(メトロポリタン美術館)も来ています。本当に素晴らしかったです。


 次のページでは、Frans van Mieris(1635〜1681年)フランス・ファン・ミーリスとJan Steen(1626〜1679年)ヤン・ステーンについて、のべて全てを終えたいと思います。

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