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この絵を、アムステルダム国立美術館で観た時、1番気になったのは、棒を持っている子供でした。あとで、この子供が男の子(17世紀は、四歳くらいまで、男の子もスカートを履いていたそうです)とわかって、ポロみたいな遊びをしていることがわかりました。
前のページの『寝室』と同じくドア越しに外の景色が見えます、フェルメールのデルフトの小道に似た景色です。ただ、下に運河も描かれています。このドア越しの描写は、ピーテル・デ・ホーホに特徴的なものだそうです。
この絵の構図では、左側で、召使いがタンスに衣類(真ん中の大きな籠から考えると洗濯物)をしまっていて、それを女主人が、手伝っています。日常の家庭的な一面です。これを見て、フェルメール・ファンなら、あの絵が頭に浮かんで来ませんか?
そうです、恋文です。見比べてください。「やっぱり、フェルメールは、凄いなあ〜。」と私は思いました。似たような題材でも、観るものを「ドキドキ、はらはらさせる。」憎いくらい凄いです。フェルメールは・・・。
このピーテル・デ・ホーホの絵は1663年頃に制作されており、キャンバスに描かれた油絵で、縦72cm×横77.5cmです。彼がアムステルダムに移ってから描かれたものです。
タンスの側に立つ婦人たちのいる室内 |
デ・ホーホとフェルメールのもう一つの決定的な違いは、語ろうとすることと語ろうとしないことにあります。フェルメールは、いつも語ろうとしません、最終的に判断を観者にゆだねてます。一方、デ・ホーホは温かみを持って語っています。
次のページでは、彼の温かみを持って語った代表作品のひとつ『女に手紙を読む男』について述べて、デ・ホーホを終わりにしたいと思います。
(2002年10月1日作成)