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下写真は、「牛乳を注ぐ女」の絵と、Catch eyeしたものをさらに反転してもどしたものです。この名作は、写真のごとく、その牛乳を注ぐ瞬間を捕えているようですが、実は違うのです。
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全ては、そこにあるのでなく、フェルメールが描いたり、消したりして、試行錯誤した結果として残ったものなのです。
ですから、実際のこの女性は、もっとエレガントで手足も細く、華奢でもしれないし、壁にかかった籠も真鍮も同じ場所にないかもしれないのです。
フェルメールは、カメラ・オブスクーラを使ったり(フェルメールとオランダの旅・光をとらえたハイテクアート・91ページ)、透視図法(フェルメール・フェルメールの用いた透視図法・21ページ)を駆使して、またそれらからくる矛盾を修正して、独自の世界を作りあげているのです。
フェルメールは、一年に2〜3点の作品しか描かなかったとされてます(フェルメールの世界・推定する制作点数・27ページ)。同世代のレンブラントが、1年に10点作製していたことと比べて、かなり寡作です。そこには、尋常でない苦労があったのかもしれません。だからこそ、皆「フェルメール作品」に感動するのかもしれません。