映 画 |
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ミステリック リバー ワーナー 2003年アメリカ 監督 クリント・ イーストウッド |
ジミー・マーカム ショーン・ベン デイブ・ボイル ティム・ロビンソン ショーン・ディバイン ケビン・ベーコン ホワイティ・パワーズ ローレンス ・フィッシュバーン |
今回の映画は、正直の所、あまり期待していなかった。それでも、クリント・イーストウッドが監督に専念した映画ということで見に行った。 舞台はボストンのダウンタウンに近いイーストバッキンガム。雑貨屋を営むジミーの娘が殺された。偶然であるがその捜査を行う刑事が幼馴染のショーンであり、容疑者として浮かび上がったのがやはり幼馴染のデイブであった。 幼い時からの、歯車のちょっとした狂いが、皮肉な運命を引き起こしていく3人の様が良く描かれていた。それぞれの妻、そしてショーンの相棒の刑事ホワイティとの絡みを含め、重厚な人間ドラマとして良く纏められている。 原作が良く、脚本が素晴らしく、配役が決まっているから最後まで、緊張して見ることが出来た。 ディブ役のティム・ロビンソンが難しい役を良く演じていた。 A 注:2003年アカデミー賞の主演男優賞と助演男優賞をショーン・ベンとティム・ロビンソンが受賞する。なお、この助演賞は、「ラストサムライ」の渡辺謙がノミネートされていたが、惜しくもロビンソンに取られた賞である。 |
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ロード・オブ・ ザ・リング 王の帰還 New Line Production ヘラルド 2003年アメリカ 監督 ピーター・ ジャクソン |
フロド・バギンズ イライジャ・ウッド サム ショーン・アスティン ガンダルフ イアン・マッケラン アラゴルン ヴィゴ・モーテンセン |
待望の第3部、完結編である。映画館では初めて整理券が出され、超満員であった。 旅の仲間と中つ国の人々がひとつになって、最後の砦ゴンドールに襲い掛かる冥王(めいおう、闇の王)サウロンの20万の軍との戦いに挑む。 その間に、指輪を山の亀裂・火口に捨てに行く主人公のフロドとサム。指輪の魔力に身も心も引き裂かれたフロドは自力では、最後の山(滅びの山)には登ることさえ出来なくなってしまう。サムの必死の支えでやっとたどり着いたが・・・ 内容はもとより、物凄い迫力と、スケールの大きさ、正に前評判どおりの面白い映画である。3時間25分の映画があっという間であった。 これこそ、映画館で見る価値のある大作といえる。 A 注:2003年のアカデミー賞で11部門を受賞。ベンハー、タイタニックに並ぶ獲得数であった。 |
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マスター・ アンド・ コマンダー 20世紀フォックス プエナ・ビスタ 2003年アメリカ 監督 ピーター・ ウィアー |
艦長ジャック・オーブリー ラッセル・クロウ スティーヴン・マチュリー医師 ポール・ベタニー ブレイクニー仕官候補生 マックス・パーキンス |
1805年。圧倒的な武装力を誇るフランス(ナポレオン時代)の武装船アケロン号に戦いを挑むイギリスの軍艦サプライズ号の海上での戦いを描いたもの。 艦長ジャック・オーブリーと船医、そして下士官や船員、少年仕官候補生との人間模様をじっくりと描きながらの海洋スペクタル映画となっている。 帆船の様子が実にリアルに丁寧に描かれていて、最近の嘘っぽい娯楽巨編に比べて、地味であるが、また、見てみたいドキュメンタリータッチの男っぽい映画に仕上がっている。 世界的なベストセラーとなっているパトリック・オブライアンの歴史小説「ザ・ファー・サイド・オブ・ザ・ワールド」の映画化とのこと。原作を読んでみたい気がした。 A |
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オーシャン・ オブ・ ファイアー Feature Films 2004年アメリカ 監督 ジョー・ ジョンストン |
カウボーイ、フランク・ホプキンス ヴィゴ・モーテンセン アラブ族長シーク・リアド オマー・シャリフ アラブ族長の娘ジャジーラ ズレイカ・ロビンソン |
19世紀末期の実話をもとにした映画。カウボーイのフランクと野生の愛馬ヒダルゴは、米国の数々のクロス・カントリー・レースに出場し、実績を上げた名コンビであった。 今は引退状態であったが、過去の実績を知ったアラビア人より挑戦を受け、1000年の歴史のある、世界一過酷なレース「オーシャン・オブ・ファイアー」に参加することになる。 アラビア砂漠を舞台に人と馬の死をかけた戦いで、脱落すると死あるのみというレースだ。 アラビア半島最南端のアデンから、灼熱の砂漠を越えてシリアのダマスカスまでの約4800kmのまさにサバイバル・レースである。 広大な自然を舞台に、カウボーイと馬の友情をアメリカの原住民、そしてアラビアの原住民を描きながら、奥の深いドラマに仕上げている感動的な映画であった。 沙漠のシーンは自然の驚異を含め見事に描かれていた。 なお、主役のヴィゴは、ロードオブザリングのアラゴレン役で活躍した俳優である。今回も渋いいい役を演じていた。また、オマー・シャリフは「アラビアのロレンス」にも出演している俳優である。 A |
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パッション 2004年 アメリカ/イタリア 監督 メル・ ギブソン |
イエス・キリスト ジェームス・ カヴィーゼル マリア モニカ・ベルッチ ユダ ルカ・リオネット 大司祭カイアファ マッティア・ スプラージア |
文字通りイエスの「受難(パッション)」を描いた大作である。紀元前1世紀のエルサレム。12使徒の一人であるユダの裏切りによって、大司祭カイアファの兵に捕らえられたイエスの最後の12時間と、復活を描いたもの。 「受難」をこれほど執拗に、残酷に描いた作品は過去に無いであろう。何度も目を背けたくなる場面の連続であった。 「受難」が大きければ大きいほど(強調すればするほど)、ラストの「復活」の意義が増すというのであろうが、クリスチャンでない私にはどうも理解し難い。 ただ、これでもかという人間の残酷さは、どこの国でも、そして歴史の過去現在(未来)を問わず現存する事実、真理(Truth)なのであろう。 見ていて、何か虚しさを感じる映画であった。 B |
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トロイ 2004年 アメリカ ワーナーバラザーズ 監督 ウォルフガング・ ペーターゼン |
トロイの王子パリス オーランド・ブルーム アキレス ブラッド・ビット ヘクトル王子 エリック・バナ 王妃ヘレン ダイアン・ クルーガー |
ギリシャ神話にある、紀元前12世紀に起こったとされるトロイ戦争を壮大なスケールで描いたスペクタル大作。 トロイの王子パリスが、他国の王妃ヘレンを奪ったことから、戦争となり、ギリシャの大群がトロイに押し寄せ、壮烈な戦いとなる。 ギリシャ最強の戦士アキレスや、パリスの兄ヘクトルと王である父(ピーター・オトゥール)を絡め、一大叙事詩となっている。ギリシャ神話の良さを充分に引き出した秀作である。 トロイの木馬のシーンは前評判どおり素晴らしかった。 B |
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デイ・ アフター・ トモロー The Day After Tomorrow 2004年アメリカ 20世紀フォックス 監督 ローランド・ エメリッヒ |
古代気象学者 デニス・クエイド 息子サム ジェイク・ ギレンホール 息子の友達ローラ エミー・ロッサム |
凄い映画であった。そして地球温暖化に対する警鐘であった。 気象学者のデニスが、南極で研究を続けているとき、温暖化の影響で、南極の棚氷が崩壊し、溶け出し、海水温の低下と淡水化が始まる。 これが引き金になり、東京には巨大瓢が降り、ハワイには巨大台風が発生。ロサンゼルスは巨大竜巻で壊滅、そして、ニューヨークは大津波で水没。さらに、スーパーフリーズ(爆弾低気圧)によって、北半球の半分が豪雪に埋まり、1万年前の地球と同じ氷河期が到来すると言う壮大な設定だ。 こんな状況下での、人間の愛と苦しみ、生き残るための人類の絶え間ない戦いを旨く描いて、見事な映画に仕上げている。 今の恵まれた生活を考え直し、、もっと自然を大切にしようと迫ってくる、そんな映画であった。また見てみたいと思った、数少ない映画の一つと言えよう。 A |
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キング・ アーサー 2004年アメリカ 監督 アントワーン・ フークア |
伝説の救世主アーサー クライヴ・オーウェン ブリテンの王妃 グウィネヴィア キーラ・ ナイトレイ 円卓の騎士ランスロットラ ヨアン・グリフィズ |
イギリスがブリテンと呼ばれ、ローマ帝国の支配下にあったとき(西暦415年)の話。ローマ軍の司令官アーサーは、無敵を誇る円卓の騎士を率いて戦っていた。 敵に捕らわれていたブリテンの王妃グウィネヴィアを救出し、共に戦っていくうちに、ブリテンを救い、王となる宿命に目覚めていくという壮大な歴史物語。 背景となっているのは、伝説「アーサー王と円卓の騎士」である。 スペタクル大作として、最後まで飽きさせることなく、楽しく見せてくれている。凍った池での弓矢を使った戦闘シーンや、ラストの城内での火を使ったシーンはユニークでスケールも大きく、見応えがあった。 B |
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リデック The Chronicles Of Riddick 2004年アメリカ ユニバーサル ピクチャー 監督 デヴィッド・ トォービー |
リデック ヴィン・ディーゼル ロード・マーシャル コルム・フィオーレ テイム・ヴァーゴ タンディー・ニュートン 使者エアリオン ジュディ・デンチ 少女キーラ アレクサ・ダヴァロス 賞金稼ぎトゥームズ ニック・チンランド |
上映中の映画「ハリーポッターとアズカバンの囚人」か「釣りバカ日誌15」も評判になっていたが、どうも鑑賞欲が沸かずにいた。 期待せずに見た映画がこのリデックである。しかし、予想に反して意外に面白い映画で楽しめた。 時代は遥かな未来。ロード・マーシャル率いる狂信的な軍団(ネクロモンガー)の宇宙艦隊は、すでに9つの惑星を破壊していた。 次のターゲットは平和なヘリオン星系ヘリオン第1惑星である。まさに、風前の灯火の所に、登場するのが主人公のリデックである。 宇宙の脱獄囚であり指名手配されているリデックは賞金稼ぎに追われる身であった。 逃げ延びている時に出会ったのがエレメンタル族の使者エアリオンである。 と物語が進展し、ついにはリッデクが敵のロードマーシャルに打ち勝ち、意外な結末と成っていくという話。 昼と夜の強烈な温度差(昼は700度、夜はマイナス300度)を利用した物語の展開や、迫力あるスケールの大きい戦闘シーンは流石に見応えがあった。野性的な少女キーラとの絡みも悪くはなかった。 A |
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アラモ The Chronicles Of Riddick 2003年アメリカ Feature Films 監督 ジョン・リー・ ハンコック |
トラヴィス中佐 パトリック・ウィルソン 伝説の英雄 ディヴィー・クロケット ビリー・ボブ・ ソーントン 沈黙の将軍 サム・ヒューストン デニス・クエイド テキサスの一匹狼 ジムボウイ ジェイソン・ パトリック サンタァナ将軍 エミリオ・ エチェバリア |
今更、アラモと一瞬思った。以前にジョン・ウェインの「アラモ砦」を見たことがある。 舞台は、1836年 テキサス、サン・アントニオのアラモ砦。立てこもる民兵は約200人、対する相手はサンタァナ将軍率いるメキシコの正規軍数千人。完全に包囲された中、全滅するまでの13日を丹念に描いて行く。 前回の主役は、ジョン・ウェイン演じる伝説の英雄ディヴィー・クロケットであったが、今回は違う。 あくまでも史実に忠実に、当時の武器、服装、道具、そしてアラモ砦の攻防を、徹底的にリアルに描いている。 指揮をとるのは、若きトラヴィス中佐である。そして、クロケットを初め多くの人が力を合わせ、戦って全滅したか。 その後、ヒューストン将軍がどうやって、メキシコ軍を平地に誘(おび)き寄せ、勝利を得たか。メキシコよりテキサスを割譲させることに成功したか。 と、淡々と描いて行く作品は見応えがあった。最近のCGを駆使した嘘っぽい派手な映画とは違い、実写主体の重厚な映画となっている。映像も良い。 また脚本も素晴らしく、まるでシェイクスピアの劇を見ているようである。最後まで密度の濃い映画であった。 A |
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隠し剣/ 鬼の爪 2004年日本 監督 山田 洋次 |
片桐宗蔵 永瀬 正敏 きえ 松 たか子 宗蔵の妹、島田の妻 田畑 智子 狭間弥一郎 小澤 征悦 狭間の妻・桂 高島 礼子 友人・島田左門 吉岡 秀隆 家老堀将監 緒方 拳 |
山田洋次監督の時代劇「たそがれ清兵衛」に続く第2作目。物語は前作と同じく藤沢修平原作のものである。 幕末、江戸から遥か遠い東北の小藩(海坂藩)にも、新しい時代の波が押し寄せてきていた。 ある日、下級藩士の片桐宗蔵は、昔自分の家に奉公していた娘きえと町で再会する。商家に嫁いだきえはやせ細り、無残な姿となっていた。 事情を知った宗蔵は、たまらずきえを助け出し、自分の家に住まわせるが変な噂が立ち、きえの将来を考え実家に帰すことにする。 そんな折、江戸に行っていたかつての道場仲間の狭間弥一郎が謀反の首謀者として、護送されてくる。 そして已む無く切り合いとなって行くが・・・・ 山田監督の映画らしく、下級武士の哀歓を綺麗な映像でしっとりと描いていて、最後まで飽きさせることがなかった。ラストシーンも感動的で良かった。 しかし、見終わり、振り返ってみると今一つの感じがした。比較すべきではないだろうが、前作の「たそがれ清兵衛」の方が味があり、、出来栄えも格段に上であった。どうしても二番煎じの感じは否めない出来であった。 片桐を演じた永瀬正敏は、初めて見たが、なかなかの演技で良かった。今後が楽しみな役者である。 B |
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コラテラル Collateral 2004年アメリカ パラマウント 監督 マイケル・マン |
殺し屋ジェイソン トム・クルーズ タクシー運転手マックス ジェイミー・ フォックス 女性検事アニー ジェイダ・ ビンケット=スミス |
トム・クルーズが、白髪に無精ひげのクールな殺し屋を演じた話題作。 タクシー運転手のマックスは、タクシーの客となった、狙った標的は決して逃がさないという殺し屋の殺し現場を目撃してしまう。 已む無く、殺し屋が次々と行う殺しに同行せざるを得なくなってしまう。この辺が映画のタイトルのコラテラル(Collateral)である。 このマックスが、殺し屋の前にタクシーに乗り、僅かに心を通わせた客の女性検事が、殺し屋の今夜の最後の標的とわかると、自分の人生を変える起死回生の行動を起こし、検事の救出を行うというストーリー。 話の後半から、主客が逆転し実に痛快な物語となっている。トムクルーズの冷酷な殺し屋も味があるが、今回はマックス役の、ジェイミー・フォックスの役回りが良かった。検事役のジェイダも内面を旨く出し大人の味を出している。 最後まで、飽きさせない展開である。映画の中で出てくるジャズの演奏とジャズ談義は良かった。 A |
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