(その4の続きです) 弁装置などへの注油が完了したところで、お昼になりましたので、昼食にします。 オーナーさまと近くの飲食店に入り、模型談義で楽しみます。 昼食後、早速再開します。今度はオーナーさまがスチームアップを行います。 画像は、火格子をセットしているところです。 火かき棒(↑)を火格子の隙間から挿し入れて、 焚口から入れてセットするのですが、なかなかうまくできません。 アッシュパンを開いて、そこから他方の手を入れて、火格子を下から支えて、所定の位置にセットしました。 なお、火格子には表裏がありますので、間違えないように注意します。 これは以前撮影した私のクラウスの火格子です。 よく見ると、上側と下側の隙間の広さが違います。 左側の火格子は上側の方が隙間が狭く、右側の火格子は上側の方が隙間が広いです。 正しいセットは左側です。右側のようにセットすると、隙間に石炭が詰まってしまい、 火室の下から空気を取り込むことの妨げになってしまいます。 火格子をセットしたので、次に火を入れますが、その前に機関車を線路に乗せます。 午前中は試運転台上でスチームアップを行いましたが、午後は線路上で行います。 スチームアップが完了し、両手で持ち上げて線路に移動する時に安全弁が吹いたら、 びっくりして手を離したら大変ですので。 余談ながら、1番ゲージ/Gゲージのライブスチームの場合、 テーブルなどの台上でスチームアップを行い、完了したら機関車を両手で持って線路上に移動しますが、 このときも、安全弁が吹いてびっくりして手を離したら大変です。 移動中は、安全弁が吹くかもしれないと思っていると(心づもりしておくと)いいと思います。 そして、乗用台車を連結しました。スチームアップが完了したら、すぐに走行開始できるようにしておきたいのです。 スチームアップが完了してから乗用台車を連結しようとして、 そのとき、適当な板カプラーやボルト・ナットが見つからずモタモタしていたら、 その間も石炭はドンドン燃焼し、水位も下がっていきます。ので、前もって、連結しておいた方がいいと思います。 乗用台車を連結したところで、クラウスを手で押してみます。 午前中よりは少し軽く動くなったようですが・・・。 火を入れました。手順は午前中と同じです。ボイラー蒸気圧が上昇し、自ブロアに切り替え、そして、安全弁が吹きました。 火床を整え、更に投炭しました。サイドタンクの水槽もいっぱいにしました。発車準備完了です。 乗用台車に乗り、ブロアバルブは少し開いたままで、シリンダードレンコックを開き、逆転機を前進フルギアにし、そして、加減弁を開いてみます。 ↓ ↓ ↓ でも、動いてくれません。両足で漕ぐように発車の手助けをしても、動輪は回ってくれません。ウ〜〜〜ン。 原因を探します。加減弁を開けたとき、運転室の各機器などからの蒸気漏れはありません。 次に煙室戸を開けて、その状態で加減弁を開けてみましたが、異常は見当たりません。 煙室戸を閉めて、次に非公式側蒸気室の上にある、これ(←)を取り外しました。 オーナーさまには機関車から離れていただき、ゆっくりと加減弁を開けると、開けた口から蒸気が大きく吹き上がりました。 これ(←)を取り付けた後、公式側も同様にやってみると、 やはり、開けた口から蒸気が大きく吹き上がりました。つまり、加減弁を開けると、蒸気室までは蒸気が来ている。 しかし、動輪は回らない、回ろうとしない。また、シリンダードレンコックを開いているが、凝結水は排出されない。 ということは、シリンダーに蒸気が送られていないのではないか?。蒸気室からシリンダーに向かう蒸気口(蒸気ポート)が開いていないのではないか?。 スチーブンソン式弁装置の組み立てを含む、弁調整に問題があるのではないか?。 オーナーさまは自身で行った試運転時、動輪は10回転ぐらい回ったとのことですが、 そのときに力が加わって、弁調整が狂った可能性もあります。 組立説明書を見ていただき、正しいか確認していただくこととします。 非公式側のシリンダー上部
ちなみに、蒸気室の上にあるものは何なのか、調べてみると、
前方のこれ(←)はシュニフトバルブで、
後方のこれ(→)はオイルカップのようです。
いずれも、ダミーです。
あらためて、組立説明書を読んでみると、10回ぐらい走行するまでは、
シュニフトバルブかオイルカップのどちらかを取り外して、スチームオイルを注油するよう、書かれています。
前方のこれ(←)は、部品表には、ダミーシュニフトバルブと書かれていますが、
空気弁、スニフティングバルブのことだと思います。
実機は蒸気室の上に、シュニフトバルブ/空気弁/スニフティングバルブが有ったのですね。知りませんでした。本日の試運転はここまでとし、火を落とします。 本日の試運転の結果を以前作成した、「ライブスチーム 試運転時のチェック表(素案)」 (588.ライブスチーム(模型蒸気機関車)試運転時のチェック事項 (その1)(R3.6.12掲載)、 598.ライブスチーム(模型蒸気機関車)試運転時のチェック事項 (その11)(R3.7.24掲載)、 参照)で、整理してみたいと思います。 チェック表は、1.準備時にチェックする事項、2.スチームアップ時にチェックする事項、3.走行時にチェックする事項、4.走行終了後にチェックする事項、5.総合評価 の5つに分類しています。 評価は、〇:良い/問題なし △:やや良い ×:問題有り/改善要 ー:該当なし とし、 必要に応じて、コメントを付記します。 まずはじめは、1.準備時にチェックする事項です。 機関車に火を入れる前までにチェックする事項です。 項番1:運搬する自動車への積み込みから積み降ろし作業まで、問題なく安全にできるか?。 [評 価] 今回は自宅で行いましたので、評価は保留します。今後、運搬するときに評価します。 項番2:エンジンとテンダーを確実に連結できるか?。また、連結は、やりにくくないか?。 [評 価] タンク機関車ですので、評価は、ー:該当なしです。 項番3:エンジン側とテンダー側、機関車側と次位に連結した乗用台車側の、給水関係のパイプの接続は、確実にできるか?。また、やりにくくないか?。 [評 価] タンク機関車で、また、次位の台車に水槽を積載していませんので、パイプの接続はなく、評価は、ー:該当なしです。 項番4:機関車と車両や、車両同士の連結は、確実にできるか?。また、やりにくくないか?。 [評 価] クラウスと乗用台車は、クラウス側の板カプラーと乗用台車側の板カプラーをボルト・ナットで連結しました。 特段の問題はないかと思います。評価は、〇:良い/問題なしです。 (その4へ戻ります) (その6に続きます) |