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ゴッホの記憶にないヒマワリ(2)

 

 何故、損保ジャッパン東郷青児美術館のヒマワリは、他の4作品を押しのけるだけの作品でないか?それは、あの作品にはゴッホのサインがあるべきところにないからです。そのことは、壷のひまわりでも述べました。もう一度、じっくり見てみましょう。まずは、背景が黄色のものです。

 サイン(Vincent)は、花瓶の二色に分けられた上に線を引き、その線より、上にサインが入れられているのが、ロンドン・ナショナル・ギャラリーのものです(写真1)。ゴッホ美術館のものは、線を引いた下にあります(写真2)損保ジャッパン東郷青児美術館のものには、サインがありません(写真3)。

写真1 写真2 写真3
ナシャナル・ギャラリー ゴッホ美術館 損保ジャパン
 

 さらに背景が青緑のものをみていきますと、ノイエ・ピナコテーク美術館のもの(写真4)も、フィラデルフィア美術館(写真5)のものも、線を引いた下にサイン(Vincent)が入っています。

写真4 写真5
ノイエ・ピナコテーク美術館 フィラデルフィア美術館

 ゴッホは、自分の作品が売れる可能性がある時、自信がある時には、サインを入れた、そうです(「ゴッホと花」の図録・78ページ)。そのことからも、損保ジャパン東郷青児美術館の壷のひまわりは、作品として満足のいくものではなかったのではないでしょうか?(「ゴッホと花」の図録・132ページ)


 私が昨日(9月28日)友人(じゅんさん&rossaさん)たちと一緒に観た限りでは、ルーラン夫人の左右に置かれた、ひまわりは、かなり差がありました。明らかに輝いて、奇麗に見えたのは、向かって右のゴッホ美術館のものでした。それは、写真とかではわかるものではなく、近くで目を凝らして観れたからです。近くで観れたことは、大変嬉しかったです。


 損保ジャパンのヒマワリは、贋作ではないか?、というのは仲間の間では、通説でした。私も五分五分と考えてました。筆使いが大胆でないこと、ゴッホ作品にみられる均一な厚塗りでないこと、壷の底の形が違うということ、絵具が途切れ途切れになることなど、疑う余地は沢山あります。しかし、今私は、この作品は習作ではなかったのでは?、と考えてます。


 ですから、決してゴッホに認められる納得できる作品ではなく、やはり、見捨てたい、のろわれた作品だったのだと思います。私も絵を描きますが、サインを入れたくない作品、入れずに放置しているものもあります。勿論、逆に自信を持っていれるものもあります。完成したものでは、ないと思います。でも、あの作品が日本にあるから、他の作品が観れたと考えるのでしたら、それはそれで、役立ったいるのかもしれません。海外に見にいけない人の沢山いらっしゃるのですから、・・・。でも、そのために58億円使ったのだとすると、やっぱり、高いですか?。価値観の問題ですね!

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