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フェルメール展の作品の感想(3の2)

 第三室11作品が並べられ、9作品目に置かれた『窓辺で手紙を読む女』は、私が一番メモを沢山取った作品でした。初期の作品とされる(⇒制作年別全作品)この作品に、この画家の力量の凄さを、まざまざと見せ付けられました。メトロポリタン美術館で『眠る女』を観た時には、未完のものが、そのままそこにあったのが、次の作品とされるこの作品では、見事に完成されてました。


 フェルメールの描写力は、この時点で、すでに完成されていることがよくわかりました。


窓辺で手紙を読む女


手紙を読んで喜んでいるのか、
悲しんでいるのか、
それを、はっきりさせたかった。


でも、わかりませんでした。


1.カーテンレールの輪が不揃いに並べられているのが描かれています。一つ、一つが丁寧に描かれています。その光の反射までも描かれてます。


2.ここに、『キューピット』が描かれていたのが、その消されたと思うラインで、何となくわかります。


3.赤色のカーテンが窓にかけられているのが、よく描かれています。開かれた窓から、風を感じる描写があるか、探したのですが、ありませんでした。

4.窓の影が、壁に描かれています。壁は、このあたりが一番明るいです。

5.窓に映った顔が描かれてます。そこからの、喜怒哀楽を見たのですが、やはり読み取れませんでした。

6.後ろに編みこんだ髪の描写が、実に奇麗に丁寧に描かれてます。

7.耳元を、髪が落ちるように流れています。清流の流れのような、この描写は、実に、実に素晴らしいです。

8.肩のすぐ下にとめるように来る、この衣装は、『ワイングラスの女』と同じもののようです。この肩の辺りの皺の描写も素晴らしい。


9.この手紙を持つ手は、働いている女性のものです。そこには、繊細さより、逞しさをみることができます。
手紙は、『青いの女』の時と同じく、紙なのに、厚く描かれてます。

 10.イスにライオンの飾りが描かれてます。これは、『眠る女』の時と同じようです。


 11.黒と黄緑が織り成す衣装が、繊細で、清楚であるけど、素敵です。


 12.カーペットでしょうか?その模様が、束ねられていることで、微妙に変化していることが、見事に描かれ、その淡い青色(コバルト・ブルー)が素敵です。


 13.禁断の実を現すのでしょうか?果実が12個、そのうち見事な大皿に乗っているのが8個で、あぶれ出ているのが、4個です。大きさも大小不同で、果実の種類も不揃いです。

 14.カーテンは、裾野の模様まで丁寧に、コツコツと描かれています。


この作品は、『フェルメール作品』の中で、その全体の色調としては、珍しい黄緑、緑、黄色、黒、赤が中心となっています。


 この清楚さと気品は、誰からも愛される作品であることを物語っています。


 今回の『フェルメール展』で、一番長い時間立っていたのは、この作品です。場所が開けば、そこに行ってました。沢山の人が来られているので、なるべく迷惑にならないように、それでも、ずっとその場にいたい、そういう気持ちにさせてくれる作品です。


 次のページでは、第四室について掲載します。

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