「ボルカンヌvs大魔」
VS
ヤマトJと引き離されたボルカンヌの前に出現した巨大悪魔!!その名も!!
大魔「ダーーーーイマーーーーーーーッ!」
ビリビリビリッ! 大魔が一声出すたびに、空気は震え、大気が揺れる!
ボルカンヌ「な、なんつーデカさだ……冗談だろ?」
闇の中から完全に姿をあらわした大魔。
その全身は見上げなければならないほどに大きく、身長は優にボルカンヌの5倍以上はあるだろう…!
大魔「ダァァァーーーーーイマァーーーーーーーーーーーッッ!!!」
ビリビリビリビリッッ!!!近づいた分だけより強力な音波がボルカンヌの鼓膜を刺激する!!
ボルカンヌ「うるせえー!でかい声で何回も自己紹介してんじゃねえよ!」
大魔「お、おで、おまえ、やっつけるーー」
少し舌足らずのような喋り方の大魔は、ズシン、ズシン、と足音を立てて、ボルカンヌに近づいてくる!
ボルカンヌ「へっ! やれるもんなら…やってみろってんだ!てやっ!」
愛用の遊弦棒を構え、立ち向かうボルカンヌ!
二人を覆う闇は、いつしかその姿をどこかのエリアに変える。
戦火に荒らされたのだろうか、あちこちで火の手が上がり、煙がもうもうと立ち込めている。
ボルカンヌは知ることがなかったが…ここは天聖界…聖遊源。
悪魔によって荒らされた土地…それを再現しているのだ。
「聖コインつぶて!テリャーッ!!」
ビシバシビシッ!
一秒間に16発の勢いでボルカンヌが放った無数のコインが、大魔のからだにめりこむ!…しかし!
「ぐっふっふーーー。いたくーーー、ないぞーーーー」
大魔が体をパッパッとはらうと、めり込んでいたコインがすべて地面に落ちる。
「へっ、厚いのはツラの皮だけじゃないって訳か!」
「こーんーどーはー、おーでーのーばーんーーだーーーー!」
そう言うと、大魔は全身を揺らしはじめる。するとあたりに暗雲立ち込め、魔嵐が発生する!
「うわっ!? なんだ!? 」
「まーーらーーいーうーーんーーっ」
ピカカカッ!ゴロゴロゴロドーンッ!!!
なんと暗雲から稲妻がほとばしり、ボルカンヌめがけて襲いかかる!!
「ぎゃーーーっ!!!! 嘘だろオイ!!」
慌てて聖弦棒を横持ちに持ち替えて逃げるボルカンヌ!
「おまえー、にがすとー、ダークマターにーおこられるー! だからー、にがさーないィー!!」
ゴロゴロピッシャーンッ!ゴロゴロピッシャーンッ!ゴロゴロピッシャーンッ!
「あちっ!あちっ!あつぃ!!あついって!!」
たてつづけに襲い来るカミナリ攻撃に手も足も出ないボルカンヌ!
至近距離でカミナリを受けたせいか、服のあちこちが焦げて、剥がれてくる!
「にゃろう!! って熱ッ!? 聖弦棒が帯電しているのか…。 ん…? そうだ!」
帯電している聖弦棒を見て、何かを思いついたようなボルカンヌは、とつぜん大魔を挑発しはじめた!
「ほーらほーらほら鬼さんこっち! 手の鳴る方へ!」
「なーーーーにぃいーーーーーをぉぉーーーーーーーー!!!」
ズシン!ズシン! ボルカンヌにむかって歩き出す大魔!
そこを狙うボルカンヌ!
「聖コインつぶて! とりゃー!!」
ビシビシビシッ! うまく大魔の足に命中した聖コインだが…
「がっはっはーーーーーーー 効かないってイッタゾォー!」
またもやあっさり払われてしまう!
ズシン!ズシン! またもや近づく大魔!しかしボルカンヌはさっと逃げると距離をあけ、ふたたびコイン攻撃を放つ!!
「聖コインつぶてーーーっ!!!」
ビシビシビシズバッ!
「いーたーくーなーいーーー! そおれつかまえ…お? おおおおおっ!!??」
ズドーーーン!!!ふたたび歩きだそうとした大魔は、突然バランスをくずし転倒する!
身体が大きいだけに、ちょっとした転倒でも大ダメージを受けてしまう大魔!
自らの体重が大きな弱点となるのだ!
「へっへー! ただ馬鹿みたいに聖コイン投げてた訳じゃないんだぜ?おまえの靴のひもを狙っていたのさ♪」
「ぬぬぬぬぬ…! オ、オマエ!ゆ、ゆるさない! だい!まーらーいーうーーんーーーーっっ!!」
地面に伏せたままのポーズで稲妻を召喚する大魔! いままでの数倍の大きさのカミナリが、ボルカンヌめがけて落雷する!!
「これを待ってたんだ! いけ!聖弦棒!!」
ボルカンヌが聖弦棒を空に向かって投げると…!?
ゴロゴロゴロゴロゴロドドガッシャアアアアアーーーーンッッッ!!!!
巨大カミナリは聖弦棒に落雷する!そして!
「そんなにカミナリが好きなら! 自分で…くらいやがれーーーーーーー!!!!」
「はわあああああーーーーー!?」
ボルカンヌは、稲妻を吸収した聖弦棒を握り締めると、伏せている大魔の顔めがけて叩きつける!!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!」
バチバチバチバチッ!!!
カミナリの全エネルギーを浴び、黒焦げになる大魔であった!
「オ、オ、オ、オマ、オマエ……」
「『オマエ』じゃねえ。 ボルカンヌってんだ!おぼえとけ!」
「うひぃぃーーーーーっ!!! ダークマターも、こわいけどー ボルカンヌもー、こわいーーーー!」
「な、なんだあ? コイツ、きゅうに大人しくなっちまった…」
すっかり戦意喪失した大魔は、ゆったりと座り直すとボルカンヌを向き合った。
大魔「オ、オマエはー、おでがー、ごわくないのかー?
おではおまえよりずーーーっと、ずーーーーっとおおきいんだ、ぞぉーーー?」
ボルカンヌ「あのなあ…大魔。恐いからって何でもかんでも逃げてたら、何も守れやしないんだぞ。
何の解決にもなりゃしないんだ。何かから逃げる事…それは自分から逃げる事でもあるんだ。
悪魔のオマエがダークマターを怖がる気持ちも解るが…自分のプライドまで捨てちまうくらいなら
死んだ方がマシじゃねえか?相手がどんな奴だったって、立ち向かう勇気が必要な時だってあるんだよ。
だから俺たちはいつでも、どんなやつとでも戦えるんだ…解るか?」
大魔「ゆ・う・き…?」
ボルカンヌ「そうさ。やりたくもないこと無理やりやらされる位なら、戦って死んだ方がマシだとは思わないか?」
考え込む大魔。
大魔「ボ、ボルカンヌ…おで…おで…」
ボルカンヌ「うん…?」
大魔が何か言いかけたその瞬間!!空の暗雲から黒い稲妻が猛烈な勢いで落雷した!!
ボルカンヌ「うわぁっ!!!?」
大魔「あ、あぶなーーーい!!!!」
大魔がとなりに居たボルカンヌを突き飛ばした次の瞬間!!
黒い稲妻が大魔の胸を貫通する!!致命傷!!?
ボルカンヌ「大魔!?オイ!だいじょうぶか!?」
大魔「ボ、ボルカンヌ…よかた。無事だた。よかた…」
ボルカンヌ「ああ…ああ、俺はだいじょうぶだけど…オマエ…なんで!」
大魔「まもれた。おで…ボルカンヌをまもることができた…!な?ボルカンヌ?な!?」
ボルカンヌ「ああ…!そうだよ、おまえは立派に俺を守ってくれたよ!」
大魔「ボルカンヌ…おでも…天使に…なれるかなぁ…勇気を持った天使に…」
ボルカンヌ「大魔!? おいっ!大魔っ!」
大魔の体がボロボロに崩れはじめる。
大魔「今度…生まれる時は…ボル…カンヌみたいな…天…使に………」
大魔の巨体が崩れ落ちて土に帰る。手のなかに残っていた部分も、見る見るうちに形を失っていく。
闇の中から、ブラック祖の思念が響く。
(神帝の因子の活性化に失敗するどころか逆に洗脳されるとは…やはりクズはクズか…)
「…なんだとテメエ。もういっぺん言ってみろォ!!!!」
ボルカンヌは怒っていた。いままでこんなに激怒したのは初めてだった。
怒りが秘められていた理力が覚醒させる!
そしてそれはさらなる力を呼び覚まし、身体中に理力を溢れ出させる!!
「いい加減にしとけよ…ダークマター!!!!」
頭が、体が、血が、何もかもが熱かった。血が沸騰しそうだった。
ダークマター「なにを怒る…? アレは余が作り出した存在…どうしようと余の勝手であろう…」
ボルカンヌ「命を、人の命を何だと思ってやがるんだ!簡単に殺しやがって!もてあそんでんじゃねえ!!」
ダークマター「ほう…なんという強い理力だ…クックック、あれも作ったかいがあったという事か…」
ボルカンヌの怒りさえもせせら笑うダークマターに、ついにボルカンヌの怒りが爆発する!!
ボルカンヌ「命をオモチャにしやがって!ゆるしゃしねえぞ!! でやーーっ!!」
その時であった!!
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