「ヤマトJ vs 八魔オロチ」
VS
ヤマトJ「うわあっ!」
ダークマター「オマエの居るべき場所はココだ…」
ボルカンヌから引き離されたヤマトJは、見えざる手によって闇の中へと投げ込まれる。
ヤマトJ「いたたたっ!」
いきなり一人っきりにさせられたヤマトJはあまりの展開の早さに面食らっていた。
次界から出発してまだ1日もたっていないだろう。
それなのに、最強の悪魔ヘッドといわれる源層大魔性ブラック祖、ダークマターの出現、
ベイギャルズたちとの合身、その姿のままでの戦闘。そして単独で連れ去られる恐怖。
平和な世界で育ってきたヤマトJには、あまりにもハードな展開であった。
『ヤマトJ…。一度、”戦い”というものを経験してくるといい。オマエもいつか旅立たなくてはならないのだからな。。。
辛い目に合うかもしれないが、心を強く持つんだ。オマエたちは新しい時代の希望なんだからな。』
出発前にヤマトウォーリアから言われた言葉を思い出すヤマトJ。
ヤマトJ「ヤマトウォーリアぁ…辛いとかそういう前になにがなんだか判らないです…。
いきなり一人にさせられて…貴方ならこんな時、どうするんです…? ってうわあっ!!!?」
八魔オロチ「ニョロ〜ッ!! きづかれたか!! ガー!!」
ボーっとしていたヤマトJの背後から、音も無く這いずり寄っていた八魔オロチが、大口を開けて飲み込もうとしていたのだ!
ヤマトJ「なになになにーーーっ!? コイツは…さっきの!?」
あわててオロチから距離をはなすヤマトJ!
八魔オロチ「バカな奴!そのままボーっとしてれば、苦しまずに飲み込んでやったものを!ガーーッ!!!」
ヤマトJ「ひぃぃーーーっ!! こ、こんなの聞いてないよーーー!!!!」
迫りくる八魔オロチの巨漢!! 手と呼ぶべきか足と呼ぶべきか、8匹の蛇を手先にしてヤマトJを追いつめる!!
さて、ではここで二人の力のちがいを比べてみよう。
■八魔オロチ:かつてヤマト王子と戦った歴戦の悪魔。武器は八匹のヘビ。八にらみと頭のおろし金で相手をいたぶり食べてしまう!
○ヤマトJ:ヤマト王子の因子を持つ少年。戦闘経験無し。ルーツのヤマトを拒絶している為、力を十分に発揮出来ないでいる。
ええと。この状況でヤマトJは…勝てるかな?
ヤマトJ「無理ですぅっ!!」
八魔オロチ「ニョロ〜!! 待ーてー!逃げるなーーっっ!!」
追いかけてくるオロチから逃げまくるヤマトJ! カッコ悪いぞヤマトJ! しっかりするんだヤマトJ!!!
八魔オロチ「ニョロ〜、こいつがあのヤマト王子の子孫〜? 信じられないニョロ〜。こーんな弱い奴がアイツの末裔なわけないニョロよ〜!」
巨大な顔を歪ませて嘲笑う八魔オロチ! だが「ヤマト王子」と言う言葉を聞いて、ヤマトJの表情が強ばる!
ヤマトJ「また…ヤマト王子か。 そんな奴、知ったこっちゃないよ!!僕は僕なんだ!!ヤマトJだ!!」
逃げるのをやめて、八魔オロチに向き合うヤマトJ。
ヤマトJ「ヤマト王子に出来た事が、僕に出来ないはずが無いんだ…! いくぞ! 八魔オロチ!」
そう、ヤマトJは逃げるのをやめたのだ!
八魔オロチ「何を生意気な! 食ってやるニョロ!食ってやるニョロ!すって下ろして食べてやるニョロ〜〜っ!!」
頭のおろし金をキラーン!と光らせながらヤマトJに迫る八魔オロチ!8匹の蛇の牙がつぎつぎと襲いくる!
覚悟を決めたヤマトJの心に、誰かの声が響く…!
謎の声『相手の攻撃をよく見るのだ…どんな攻撃もかならず反撃のチャンスがあるはず… 』
その声に従い、目を凝らすヤマトJ!襲いくる牙を次々とかわす!
ヤマトJ「だれ!?今の声は!?…セレンス!?」
そう、たしかにセレンスの声だ。ただしそれはセレンスを通して聞こえる”りんりんごう鐸”の声!
一度合身したことで、ベイギャルズとヤマトJの心は、一部シンクロしているのだ!
八魔オロチ「ぬぬぅ!? 急に動きが良くなったゾ〜!? それならこれでどうだ〜!」
八蛇の蛇身を大きく伸ばし上下左右から攻めたてる八魔オロチ!
謎の声『長所と短所は表裏一体…相手の攻撃の隙を狙うんだ…!』
ふたたび響く声に従い、なんとかヘビたちをかいくぐるヤマトJ!
八魔オロチ「こ、このー!このこのこのこのっ!」
謎の声『慌てるな…時を待ち、チャンスをつかむんだ…!』
ヤマトJ「よっ! はっ! てやっ!」
八魔オロチ「こ、このガキ〜。な、なんてすばやさだニョロ〜 ぜはーっ ぜはーっ」
蛇たちによる連続攻撃を全てかわされ、息切れを起こすオロチを冷静な目でみつめるヤマトJ。
謎の声『相手をよく見るんだ…そうすれば必ず弱点が見つかる…』
ヤマトJ「うん…!解ったよ、みんな!」
八魔オロチ「ぜはーっ! こうなったら…毒を食らえーーーーーっっ!!!」
シャァツ!オロチのくちから出た強力な消化液が、ヤマトの体を侵食すべく接近する!
謎の声『どんな奴も恐れない勇気を…!』
ヤマトJ「うん、僕はもう恐れたりしないよ!八魔オロチも!そしてヤマト王子も!!!」
「タッキュウドォ!!」
にゃおーんっ!キュインーンッ!
一瞬のうちに音速に達したヤマトJが瞬く間に八魔オロチの本体に接近するっ!
ヤマトJ「八魔オロチ!おまえの弱点はその蛇たちだ!!あまりにも長すぎるから、接近されると攻撃できないんだ!!」
八魔オロチ「げげーっ!!そ、その技は!!」
ヤマトJ「一気酔剣!!」
キランッ! ゆらり、と動く剣を見たオロチは酔っ払ったような状態になり…
ヤマトJ「でやあーーーっ!!」
スパパンッ!! 暗黒の闇のなかに一気酔剣の輝きが舞う!
ヤマトJ「……。」
くるくるくる…
キンッ! ヤマトJが剣を鞘に納めると同時に、八魔オロチの蛇の首がボトボトと落ちる!
八魔オロチ「あ、アギャーーーー!!!! 」
蛇が無くなった為、体を支えられなくなって倒れるオロチ!
八魔オロチ「くそう、これで勝ったと思うなニョロ!何回でも再生できるニョロからな!」
ヤマトJ「何回でもかかってきなよ。 ただしぼくはもう負けないよ?ヤマトの力を…信じてるからね。」
八魔オロチ「んな……」
ヤマトJ「でも君も強かったよ?また会ったら、友達になってね!」
ニコっとわらうヤマトJ。
謎の声『よく頑張ったね…ヤマトJ』
ヤマトJ「え…? 今の声は体の中から聞こえたような… ヤマト…王子…?」
その時であった!!
先に進む前におさらい。
@ミネルンバvs魔人フック
Aセレンスvs魔矢
Bベスタニャvs魔僧弁慶
Cメルクリンvs魔魚
Dボルカンヌvs大魔
全部読んだらこっちへ。