※例えば、ウチにはガーギーという役者がいるが、彼は自分が納得しないと動かない。
稽古のたびに面白いネタを出したり、アウトドアやキャンプではよく動ける人だが、
こと役者ということで言えば、公演が迫って折り合いを付けることはあっても、
できないことをできた風にやったりはしない。
だからとても時間がかかるが、それは彼のいいところでもある。
そして、うぃっとで9年やってきた中で、確実に力をつけてきた。
常に即応を求められる集団にいたら、彼の持ち味は摘まれていただろうし、
それ以前に残っていなかっただろう。
「そんなの甘い」と思う人もいるかもしれない。
だが、「できないことの大切さ」がわからんで何を語るかと。
テレビ画面に一瞬咲いて消えるような、薄っぺらい偽りの厳しさなら、いらない。
出会ったあなたの名前を、私はすぐには覚えないかもしれない。
だが一度憶えたら、あなたがたとえ消えても、忘れない。
即興やアドリブを否定したり、軽視したり嫌ってるわけではない。
それらは「自分の間合い(あるいは共通の間合い)」で入れるからやれるものであって、
自分の間合いの確保を許さずに即答を強いる練習が、理に適っているとは思えない。
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2010 第1回 第2回 ボスより