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青衣の女
この作品も妻・カタリーナがモデルと言われている作品です。多分、女性は妊娠していると思われます。
この作品で女性は、手紙を読むことに没頭しています。女性の穏やかな表情や、まわりの雰囲気から、手紙の内容が、暖かく、嬉しいものではないかと推測されます。
手紙を読むということも、結婚生活の道徳的行為に反するという寓意がこめられている(⇒お勧め本No.3・フェルメール・秘められた憧れ・49ページ)、とする説もあります。
私が、注目していることは別にあります。マウスポインタを写真の上に載せてみてください。
わかりましたか?
女性の視線は、手紙の読んでいる部分を見事に捕らえてます。
きっと、手紙の最初の部分に「良い知らせ」が書かれていたのでしょう。
フェルメール(Vermer)の素晴らしさは、細かい記述にあります。計ったように、目線を手紙の前半に持って来ています。このことが、皆がフェルメール作品を愛することにつながります。例えば、この作品を(夫が戦争に出ていて、妊娠している妻が、彼の無事を伝えた内容の手紙を受け取った瞬間)としても、良いのではないでしょうか?日常を題材にすることは、あらゆる人が色んな想いをこめて作品を見ることができます。
この他にも、この作品は特徴的なことがあります。婦人の衣類のブルーはもとより、イスの色、壁にも薄く淡くブルーが使われてます。「青いターバンの娘」のように強いインパクトを与えませんが、奇麗なブルーです。
次は、同じ左横顔で、手紙を読む作品として名高い、「窓辺で手紙を読む女」について、述べます。
オランダに旅行して実際に観た「青衣の女」は、とても上品な作品でした。優しさが感じられました。作品色んなところで使われているブルーが、とても奇麗でした。
(2002年6月5日作成 8月28日加筆・修正)
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